このバイオディーゼル燃料（BDF)を精製できる機械を積んで地球を走ってみようと思いついたのは2005年の末でした。当時なんの知識もなかったため、まずはその燃料を手に入れ実際に走行してみることから始めました。その後その可能性を追求し、100%のBDFを使用して北海道から九州まで縦断、そしてヨーロッパでの２万キロのテスト走行、ダカールラリーにBDFを使って出場するなど過酷な条件の中でもテストを重ねてきました。約1年ほどBDFを使用した体験からBDFの持つ想像以上の可能性を実感することになりました。

　 使い古した天ぷら油は捨てると地球を汚染することになりますが、それをリサイクルして車や発電機などに燃料として再利用できるのです。しかし、この廃食油から作るBDFの製造方法は進化しているところですし、ディーゼル車の燃料として使用するにはまだまだ未知なところもあります。そこでこの燃料のことを知るには最低10万キロは走らないとなにも語れないと思い、100%のBDFで地球を走行してみようと思いました。しかし、世界的にもBDFをガソリンスタンドで給油できるところは少なく、BDF燃料を補給するには自分で廃食油を集め自分で精製しながら地球を走る以外にありません。そこで行く先々で廃食油をユニークな方法で集め、自分の車でBDF精製できるプラント（BDF精製機）を搭載して走る事を考えました。そこで今回の「バイオディーゼル・アドベンチャー」というプロジェクトが生まれたわけです。