最初の関門

7時半起床。ぐっすり眠り、気持ちよい朝を迎えた。フレンチトーストとトマトスープの朝食を済ませ、出発の準備をする。10時宿舎を出て、バンクーバーのダウンタウンへ。通関のオフィスでは、係員が予想以上に親切で理解があり、気持ちのよいやり取りをすることができた。ただし、タイヤや車輌についた土の検閲書類(ソイルインスペクション)の必要があると言われ、そちらの手続きをしてから通関になると告げられた。
明日出直さなければならないものの、思いのほか気持ちのよい運びだったので、一同胸をなでおろす。せっかくダウンタウンへ来たのだからと、廃油回収をお願いできそうなレストランの目星をつけつつ、トーテムポールのあるスタンレイ公園まで撮影によさそうな場所を探してドライブをした。どんより曇っていた空がだんだん明るくなってきた。見上げると、目の前に水上飛行機が一機、ダウンタウンと公園の間にある湾に着陸してきた。こんなダウンタウンのすぐそばをセスナで降り立つ姿はあまりにも優雅で衝撃的だった。
きっと近くの島に住んで優雅な暮らしをしている人が自家用機でダウンタウンまで食事をしに来たに違いないと想像をして、カナダならではのライフスタイルに触れた様な気がした。
我に返って小腹がすいたので帰り道にFUJIYAで日本食弁当を買って、12時半宿舎へ戻った。
午後からは今後のスケジュールなど打ち合わせを始める。この旅は、予定表のない旅だが、行く先々で廃油を集めるためサポートしてくださる方たちに、それなりの予定を知らせたい。4時までミーティングをして明日から数日間の動きをまとめ、自炊の為の食料その他の買出しに近くのショッピングセンターを目指した。
6時に帰宅。日本への連絡、シアトルとの連絡がついたので、7時半ごろ夕食をつくり始めた。夕食の仕度を始める前にソイルインスペクションが終わったという連絡が入った。これで車両を受け取る書類が全部揃ったことになる。ささやかながら第一関門突破のニュースを祝った。これまでのさまざまな苦労や喜びが思い出される。「いざ!」という気持ちと「やっと!」いう感がほどよく混ざり、夜が更けた。
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