ジェイズガレージ

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朝9時ごろジェイズガレージというBDFの売り上げが全米1という噂の給油所を訪ねた。ダウンタウンにあるBDF修理工場を兼ねるそのスタンドは、予想に反してとても質素で年季が入っていた。修理に持ち込まれた車が4”5台停まっていたので敷地はいっぱいだったのでまずは近くに路駐して様子をみることにした。
オーナーのジェイは、気さくでウィットに富んだ人物だ。車を開けるなり「すごい機械だなぁ。」と言いながら、ぼろきれで精製機を磨き始める。そしてふと顔を上げると、「廃油がいるんだろう?ついておいで。」と言いながら、携帯電話をかけながら片手で来いの合図をしながら通りを渡る。僕たちはなにがなんだかわからぬまま後に従うしかない。向かいのレストランの入り口辺りの藪の中に、なにか番号合わせの鍵がありジェイは電話で指示を受けながらそれを開けると、鍵を取り出して僕たちを無人のレストランの中に招き入れた。キッチンに入ると、大きなバケツに廃油が入れてある。「これをもらっていいそうだから。」まさか翌朝始まって5分で20L以上の廃油をいただけるなんて驚きだ。
ジェイの店は忙しい。うわさどおり次から次へと車が出入りし、バイオディーゼルやバイオエタノール燃料を給油していく。アメリカには珍しくなったフルサービスのステーションだ。でも、お客さんたちは結局車から出て、ジェイに話しかけている。バイオディーゼルを売るからには、問題があったら引き受ける。でも必要以上の問題を抱えた車の修理はごめんだから、クオリティのよい燃料だけを売る。あとはここの問題さ、とポン!とつなぎの上から胸を叩く。この商売を始めてから彼は宣伝をしたことはないのだそうだ。軍隊を出てから、わずかな手持ちの費用で、古いスタンドを買った。堅実な商売と立地条件のよさで、ここまでやってきたという。
今から7年ほど前にバイオディーゼルを売らないかという友人に誘われて、試しに扱いはじめたところ、二週間もしないうちに「あそこでバイオディーゼルを売っている。」という噂を聞きつけて、バイオディーゼルユーザーが、どんどんやって来たのだそうだ。その後は、心のこもったサービスを怠らず、BDFの売り上げを伸ばしてきたのだそうだ。人を第一においたビジネスが成功したのだろう。今日はどこに泊まるんだ?と突然ジェイは僕たちに聞いてきた。「今夜泊まるところが決まってないのなら。」と自宅に招待してくれたのだ。
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