早起きしてエコビレッジの部屋を掃除し、別れを告げた。10日もお世話になった。お陰で2つある燃料タンク(合わせて185L)、反応タンク(40L)そして廃油のタンク(100L)はすべて満タンだ。しかも、車の中には20Lx2=40Lの燃料が、ジェリー缶の中に貯めてある。これだけあれば、グランドキャニオンにはいけるのではないか?そう思うと、3人とも何だか懐が暖かい。
今日は、カリフォルニアとアリゾナのボーダーぐらいまでを目指す。400km以上走ることになるだろう。I”10沿いには、とても興味深い発電用の風車群が集まる地帯がある。そこで、すこし寄り道して撮影した。
午後1時近く、ソルトンシーに到着した。遠くから見ると、とても神秘的に水蒸気の立ち上る塩水の湖は、近くに寄ると塩分の増加によるといわれるが、無数の魚の屍骸が細かい貝殻でできた浜に打ち上げられていた。塩水のせいか、かなりキツイ匂いだ。この辺りははるか昔太平洋とつながっていた。土地の隆起により海から離れ、淡水がたまり始めたものの、砂漠化にともなって干上がり、塩だけが残された。その後、大雨が16ヶ月も続いたことがあり、また水がたまったのだが周囲の土壌にある塩分が混ざり塩湖となったのだそうだ。近年さまざまな理由から塩分濃度が増し、比較的塩分に強いとされているタラピアさえ死ぬようになってしまった。
ここに37年住んでいるという、ジャックさんの話をきいた。彼のお母さんのアルバムの中に1976年の写真を見つけた。当時この近辺は、ヨットハーバーと釣りを中心に栄えたリゾート地だったのだそうだ。「毎日湖で泳いで遊んでいたよ。」と、今では残骸と化してしまった当時の桟橋を指差し、写真の撮られた位置を教えてくれた。変わり果てたとは、こういうことを言うのだろうか。
午後3時過ぎ、更に東へ向かう。この先に、実は僕とタツヤにとってはとても思い入れの深い場所が待っている。メキシコとの国境近く、カリフォルニアとアリゾナの州境に、僕らのお気に入りの砂丘地帯がある。10階建てのビルほどもある真っ赤な砂丘は、サハラ砂漠を思わせる。バスコファイブでぜひ訪れたいと念願していた所だ。
日没ほんの少し前に着き車を走らせ、日が沈んでからは徒歩で中に入って砂遊びを楽しんだ。砂地を歩くには、コツがある。砂漠を怖がって力を入れ闘ってしまうと、体がすぐに疲れてへばってしまう。でも、リズム感を持って身を任せると、砂は柔らかくあたたかい。裸足になると、なお気持ちよい。満天の星を肴に、おいしい空気を思いっきり堪能すると、あぁ!帰ってきた・・・そんな気がした・・・。
廃油回収量 0L
走行距離 544km
お世話になったひとたち:ナカムラさん、ジュンコさん
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