バスコファイブ改造計画

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3月26日(木)晴れ デンバー→ラスベガス(NM)
今日はひとついつもとちょっと違う課題があった。そのためにニューメキシコへ戻るのを、一日延期したので何とか目的を達成したいと考えていた。だから、起床してすぐゴールデンを目指し、ハルミさんに別れを告げた。
ぼくらバイオディーゼルアドベンチャーは、今まで廃油を集めてバイオディーゼルを作りながら旅を続けてきた。過去2ヶ月近くで明らかになったのは、廃油をフィルターにかける作業が意外と時間のかかるということだ。滞在している場所に予定より長く滞在しなくては、せっかくいただいた廃食油をすべて持っていかれないことが多かった。もっとあるよ、と言われてもこれ以上は積めないからと諦めることもあった。つまり、一時的に廃油を入れて運ぶ場所が欲しい。
今までにも人に相談して、車の後ろにキャリアをつけることなど検討した。でも、もしもそのキャリアーの取り外しがワンタッチでできない場合、僕らの精製作業は結局遅れてしまう。フォートコリンズで偶然であったある青年がランドクルーザーのオーナーで、よい店がゴールデンにあると教えてくれた。昨日電話をしたところ、「何か良い方法がないか一緒に考えましょう。とにかく朝、来れませんか?」と言われたのだった。
スリー・オフロード・アウトフィッターは、ゴールデンというデンバーから西へ25kmほどのところにあるちいさな町だ。こんなところに、ランドクルーザーのアクセサリー専門の店があるのは、ちょっと意外だった。オーナーのクリストさんをはじめ、働いている人たちは「今日はちょうど仕事が一段落したところで、時間があってよかったよ。」と言いながら、親身になって僕らのニーズに合わせて相談にのってくれ、あれこれ知恵を絞り試してくれた。
結果、屋根についているボックスの取り付け方と位置を変え、その横にジェリー缶をいくつか付けることになった。キャリアーに少し余分なスペースができるようにし、そこには収納用の箱も載せることにした。これで車内の居住性も少しは改善されるだろう。正直、助手席の足元には20L入りの廃油入りポリタンクが2つ、後部座席の足元や横には私物があふれており、誰も文句を言わないけれど、あまり快適とはいえない状態で旅続けてきた。
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簡単とはいかなかったが、午後4時屋根の荷台その他の取り付けが完了した。
その直前に、スリーのセールスマネージャーベンが、遅いランチに連れていってくれたのだが、その際近くにバイオディーゼルの研究をしている人がりうのだと話してくれた。飛び込みで訪ねると、受付の若い女の人が「知ってるわ。インターネットであなたたちの冒険について、つい最近読んだばかりよ。」と喜んで奥へ通してくれた。
おくの研究室には、巨大なディーゼルエンジンがすわっており、いくつかの研究のひとつはバイオディーゼルを作ったときに出るグリセリンを、精製工場で再利用する方法の開発だということだった。化学の知識が乏しい僕らにはとても難しいはなしだったけれど、どうもグリセリンからメタノールを完全に抜いたあと、水素ガスを作ることができそれを工場の燃料として使えないかと実験しているらしい。ここの研究所の顧問をしているのは、アメリカで初めてバイオディーゼルを作ったトム・リード博士だと言われた。
スリーに帰って仕事の終了を祝って記念撮影をしていると、老夫婦がバイオディーゼルのステッカーのついた車に乗って現れた。わけがわからず困惑していると、サッチンが「このひとがトム・リード博士みたいよ。」という。今夜はラスベガスまでどうしても帰らねばならず、6時間の旅が待っているのだが、ちょこっと彼の話を聞くことにした。彼は、1990年はじめコロラド鉱業学校(Colorado School of Mining)でバイオディーゼルを作った。それを自分の車に入れて走ったところなかなかいい感触だったので。それ以来バイオディーゼルを推進してきているのだそうだ。現在は、木炭ガスの研究に力を入れているとのことだった。
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とにかく遅くなってしまった。ニューメキシコ州のラスベガスでは、明日の朝バイオディーゼルユーザーの記者から新聞の取材を受け、先日廃油の危機を救ってくれたブライアンと会う約束だ。プラザという古いホテルが、破格の値段で泊まれるよう招待してくれたので、フロントデスクに深夜到着の予定を知らせ、先を急いだ。550km。燃料切れの心配がないので、他の2人に相談し燃費の心配をせず、少し飛ばし気味で走行することにした。
廃油回収0L
走行距離 572km
お世話になった人たち:ハルミさん、クリスト、ベン、トム、トロイ(ホテルマネージャー)

カテゴリー: north america パーマリンク

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