松江市環境センターでバイオディーゼル燃料

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9月4日曇。島根県松江市は早くから廃食油のリサイクル事業を進めてきた地域のひとつ。’02年3月にプラントを初稼働させ、ごみ収集車を走らせた。現在では家庭から15,000リッター、事業所などから約20.000リッター近くを回収し、市のパッカー車(ゴミ収集車)に使用している。
この日はそんな松江市の環境保全部を訪れた。うれしいことにバスコファイブの到着を待っていてくれたようで、到着するやいなや20名ほどの役場社員の皆さんに囲まれた。市をあげて熱心に取り組んでいることもあり、皆さんあれこれ質問が止まなかった。
その敷地内にあるプラントを見せて頂いたのだが、こちらのプラントは今まで見たことのないもので、スウェーデン製の大きな遠心分離器が2機ついている大型のもの。
廃食油の回収場所は、20以上の公民館、さらに福祉センターやここ市の環境センターにもあり市民に根付いているようだ。
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松江市は「川と湖と海」3種の水資源がある。とくに宍道湖(しんじこ)や中海は海水と淡水が混ざった汽水湖で、さまざまな生物が生息している。’05年11月には国際的に重要な湿地としてこの2つの湖がラムサール条約に登録されたという。
今から約40年前の琵琶湖周辺で起こったせっけん運動を思い出す。当時問題となった油を湖に流さずに、せっけんに再利用して水資源や生物を守ろうとした人々がいる。
松江市が’02年にバイオディーゼル燃料に取り組み始めた際に目指したのは「リサイクル都市日本一を目指して」。松江市もこうして油を再利用して燃料にし、空気や水を少しでもクリーンに保ち、リサイクルに力を入れながら、この貴重な自然を守っているのだ。しかし近年では汽水域の生態系が崩れ、漁獲量が減少したり、30種近くの動物が絶滅危惧種として認識されているという。
中海を横にバスコファイブを走らせる。この水面下では2つの水が混じり合い、たくさんの生物が生きている。輝く湖面を見ながら、6万羽もの渡り鳥たちが羽を休ませる冬の風景を思った。

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