米子のもみの木園訪問

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9月4日今日も曇。
中海を過ぎて次の目的地、鳥取県米子市の「もみの木園」へ向かう。裏道に入ってしまい道に迷ったため少し時間に遅れてしまった。
この道かな……!? 小道へ入ると、何やらたくさんの人が道路で待っていてくれた。「あれがもみの木園だ!」近づいていくと……わらわらと皆さん道路へ出てきて、拍手に包まれてしまった。なんとうれしい歓迎! けれどちょっぴり照れくさい(笑)
ここは障害者福祉施設「もみの木園」。現地のNPO法人「エコパートナーとっとり」が補助金を活用して、’06年5月にこの施設へバイオディーゼル燃料精製プラントを導入。廃食油の回収からバイオディーゼル燃料の精製販売まで一貫して行うと同時に、バイオディーゼル燃料で障害者の自立と雇用の促進を行っているというわけだ。今日はその「もみの木園」にバスコファイブと共に招かれ、講演と情報交換をさせて頂くことになっている。
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到着して早々に、お集まり頂いた約30名のゲストの前でバスコファイブを説明。地元の中海テレビや新聞社の取材班にもお越し頂き、フラッシュも飛び交う。非常に賑やかだ。
次に施設にあるプラントをご説明頂いた。プラントは2基。施設の利用者と職員が週2〜3回、バイオディーゼル燃料を精製しているという。昨年は約19,000リッターを精製し、その燃料は旅館の送迎バスや公用車、パッカー車(ごみ収集車)などに使われているそうだ。
しかしながら一方で、こんな課題もあるそう。昨年秋の不況以来、廃食油の値段が上昇し、業者が高値で買い取るようになった。そのため回収量に伸び悩んでいるという。何とかしてこの回収量を増やしステップアップしていきたいそうだ。
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室内ではトークショーと質疑応答タイム。今回はプロジェクターを使わず、日本一周やダカールラリー、世界一周で撮影したフォトブックを見て頂きながら、このプロジェクトについて、燃料の精製について、世界の燃料事情についてお話をさせて頂いた。皆さんとの距離も近く、このような場はとても親しみ深い。
質疑応答ではこのような質問を頂いた。その内容は素朴なものから専門的なものまでさまざまだ。
「運転中は精製できる?」
「山陰では冬用と夏用とで燃料を切り替えるが、マイナス40℃で使える点火剤はすごいですね」
「”B100″などの”B”とは?」
「精製工程のイオン交換樹脂については?洗浄している?何回使える?」
「廃食油から燃料へ精製すると、その量はどれくらい減る?」
「リッター何キロ走る?」 ……などなど。
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中にはランクルをもっているかたもいらっしゃって「自分のランクルにもB100を入れてみたい」なんて会話をしたり、こんな声も頂いた。
「……バイオディーゼル燃料を通じて障害者が人と交流し、皆が人を支えたり支えられたり、そんな社会を目指しています。今日お話を聞きながら、私たちがやっていることはいいことだな、楽しいことなんだなってことを確認しました、ありがとうございました」と。
僕がこのプロジェクトを通じて学んだこと、それはできるだけ多くの方が関わってものを作るということは、とても大事なんだということだ。ここに存在しているすべてのものは、必要があって生まれてきている。生きていれば当然困ることもあるし、何が起こるかわからない。だからこそ目先の利益ではなく、お互いが助け合ってモノを作っていくことはとても大切で尊いことなのだと。
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最後はポリタンク2本と一斗缶にいっぱいの廃食油を頂いた。こんなにたくさん! 皆さん、どうもありがとうございました。
バイオディーゼル燃料を利用しながら、民間と行政が地域と連携した障害者支援のコラボレーションモデル「もみの木園」。循環型社会、低炭素社会を目指す地域モデル事業の貴重な一歩ではないだろうか。

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