「死ぬには良い日だ」デニス・バンクス

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韓国から帰ってすぐ、デニス・バンクスの自伝と映画「死ぬには良い日だ〜A Good Day to Die〜」を発表記念パーティが行われ試写会を観てきた。
デニスと出会ってから15年になる。昨年は、事故に会うなど生死をさまようハプニングがあったが、AIM(アメリカン・インディアン・ムーブメント)で命を狙われ、銃弾を逃れてきた男は、やはり生き返っていた。
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自伝と映画のタイトル 「死ぬには良い日だ」
これはインディアンの言葉。
悔いのないよう、一日を精一杯生きていれば、今日が死ぬ日が良い日になる。
そんな意味もあると、デニスは言った。
そして「今だ、この時だ」という意味も含まれているように思えてならない。
インディアンのことを伝える時がきたのだと。
このデニスの自伝は、英語での出版が1989年に企画されてから、こうして日本語版出版されるには21年もの歳月がかかったのだという(英語版は2004年に出版)。これまでの道のりは様々な困難があったと思うが、こうして一人の人生を通して、インディアンの歴史を多くの人が知り、後世に伝えていく本ができる。これはすばらしいことだと思う。
映画もカナダの映画祭で長編ドキュメンタリー映画賞を受賞し、他にも10以上の映画祭に招待されているそうだ。
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講演の後、出版した本をかかえてデニスに近寄ると「おお、久しぶりじゃないか! 元気だったか!」と肩を抱いてくれた。お互い歳をとったけれど、あの時と変わらない。デニスは70を過ぎてもダンディでむちゃくちゃかっこよかった。
アメリカンインディアンとは20年以上の付き合いがあるが、儀式やセレモニー、また限られた特別な居留地などでは一切カメラを向けてこなかった。彼らはそれを好まないし、彼らをリスペクトしたかったからだ。
ところが5年ほど前にインディアン先住民たちと1万キロ巡礼の旅を共に時間を過ごし走った後、サンダンスという儀式を行うときのことだ。彼らの儀式に参加したとき、長老たちから、僕に記録を撮るように、そして多くの人々にそれを伝えて欲しいと言われた。4日間の儀式以外、その前後を撮影してかまわないというのだ。こんなことは初めての事だ。躊躇したが、撮る事を僕は決めた。
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↑写真はアメリカンインディアンと旅をしたときのもので、ハンドルを握っているのはデニス
その記録は、日本に帰ってから写真展という形で表参道のこの原宿ピアザビルで紹介させてもらった。
オープニングセレモニーのある表参道にあるビルの写真展会場には、インディアンたちも来てくれた。人が押し寄せ、ビルに入れなくなり人が表参道の歩道まであふれていた。デニス達のタイコやモンゴルの馬頭琴が合流して、そのリズムに合せて観客達が踊り始めて、ビルの床が抜けそうになり管理人に止められたという一幕を思い出した。
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↑写真は写真展の時の様子
が、最近はバイオディーゼルのプロジェクトに忙しく、みんなと会う機会も減ってしまっていた。会場を歩いていて「久しぶり、元気だった!? どうしてた」と声をかけられるたび、時間が戻ったみたいに懐かしくうれしい気持ちになった。
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会場の隣にあったインディアンジュエリーのお店では、ジュエリー作家のレイ・トレーシーの作品が売られている。彼のこの写真、じつは僕が撮影したもの! かれこれ5年ほど前に、彼のプロモーションのためにアリゾナで撮影した思い出深い写真だ。

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