真夜中のラブフルート

苫小牧に到着。その足でラブフルート奏者の小野昭一さんを訪ねた。

かねてからずっとお会いしたいと思っていたのだが、やっと叶ったのだった。

小野昭一さんは「ブルーレイバンクリエーション」として活動しているラブフルート奏者であり、ラブフルートの製作もしている。

ラブフルートというのは、インディアンフルート、ネイディブアメリカンフルートのこと。小野さんは演奏活動の傍ら、多くは大量生産されるフルートを、手作業でひとつひとつ作り続けている。

おじゃましたのは、小野さんのお家の隣にある小さな建物「KOCOMATSU」。

八本のトドマツを柱にした珍しい八角柱の形で、屋根の上にはワタリガラスが空を見上げている。

「その人にあった樹があるんですね。質、色や手触り、音色も違うんです。だから実際に吹いて感じてもらって、その人がコレダと思った樹からフルートを作ります。ひとつひとつその方を思い浮かべながら作っていますよ」

不思議なことだけど、吹いてみると「あっこれだな!」ってわかるようなのだ。

KOCOMATSUには樹や形も違うさまざまなラブフルートが並べられていた。

僕も吹かせてもらった。そ〜っと息を吹き込むと、優しい音が鳴った。

同じ樹でも、どれひとつ同じものはない。手にとってかいでみると樹の匂いがふわぁっとしていい香りだ。

八角柱の中でぐるっと輪になってお話をしていると、アットホームでとってもいい感じ。ここはレッスンやライブをしたりする自由なスペースなのだそうだ。

ふとモンゴルのティピで過ごした時を思い出した。ぐるっと10人ほどが円になれるミニ・ティピといった感じ。決して大きくはないのだけれど、人と人がとても心地いい距離でいられるのだ。

「ここでライブをすると、ほとんど満席になるんですよ。コミュニケーションをとるのにいい大きさなんです。いくらライブや活動をしても、深いところのコミュニケーションが生み出されなければ、ただ消費するだけの場になってしまう。だからこれくらいがちょうどいいんです」

またの名を”光と響のスペース”。5枚のステンドグラスの採光が、陽に応じてゆっくりと室内をまわっていく。小野さんの奏でるフルートの音色が、樹に優しくはねかえって響いて、まるで森の中にいるような感覚にさせてくれた。


小野さんと時間も忘れて夜中も越えて3時間以上も(!)お話をさせてもらった。

ラブフルートとの出会いに始まり、哲学的なことまで。とてもすてきな時間だったな。

その話はまた今度に。

お別れのとき「旅でお疲れの様子だから、これ試してみてください」と、なんと作ったばかりだというお手製の指圧道具を頂いてしまった。にぎりやすく滑らかな曲線を描いた木製ブーメランのようなもの。これで肩や目の眼をマッサージすると、とっても気持ちがいい。やっぱり樹は優しいですね〜。旅の大切なお供がひとつ、増えました。

小野さん、ありがとうございました。また今度はライブを聞きに伺いますね!

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