刻々と変化する現場。必要なモノも変化する。

大災害から一週間が経つ。
道も開通し、各地からは用意されていた物資が次々と運ばれてくる。
被災地でも内陸部から徐々に電気もガスも水道も通るようになってきた。
携帯の電波も復旧をはじめ、衛星電話がすでに設置された避難所も多い。
現場の状況は刻々と変化している。
それに対して本当に必要とされているものも日々変わるのが現状だ。
そんな中で、足を使ってコツコツ避難所をまわり、本当にほしいものは何かをきいてまわると
「物資類はもう届いているから、急ぎでほしいものはない。何よりもガソリンがほしい。ガソリンがないから安否確認すら、未だ行かれない。ガソリンありませんか?」と言われる。
緊急車両であればガソリンは優先的に入れることができるが、一般車両は手に入らないのが現状だ。(内陸部の町でもGSに行列ができる。避難所への支給物資の中にガソリンはない)
そしてガソリンの次にほしいものは、大口の物資支給では届かないような細かいものだ。
しかも避難所によって内容が違う。
「300人分のおにぎりを包むサランラップがほしい」「衛生手袋が必要」「上着はたくさんくるのに、ズボンがない」「オムツが必要な子が1人分だけいるの」とか。
水がほしいところもあれば、まったく不自由せずに手に入るところもある。
あるところでは「ミソはほしい」と言われるが、いっぽうでは「農家だからミソや漬け物はいっぱいあるからいらないよ」というところも。
現状は、大口の物資はもうじゅうぶん届いている。
必要とされているのは、そういった細かな要望に対するケアだ。
ピンポイントで必要物資を聞き、届ける、そして情報収集するということ。
僕のバイオディーゼルカーという動力を使ってできることはないか?を常に考え、ここ数日は、避難所をまわり、要望を聞き、次の日にもっていくという動きをしていた。しかし1台では限界もある。
そこで今日、BDF車両エスティマを貸してくれる協力者が現れたので、2台体制を行ってみることにした(本当はもっと台数があったらいいのだが)。
1号(バスコファイブ)が情報を収集。
2号(エスティマ)が昨日収集した物資を運ぶ 
エスティマを協力してくれたのが、岩手でBDFを精製販売しているという小瀬川技研さん。普段もBDF100%で走らせているそうだ。僕が自分で燃料を作っていては間に合わないのだが、こちらでBDFも購入できる。
物資を集めてくれているのが、岩手県議会議員の高橋博之さん。事務所へ行くと、ネットワークを使い、たくさんの物資を集めていた。
そして僕がいつもお世話になっている地元の農家の方々も、近所や地方からあれこれと集めて物資を集めておいてくれた。
そしてさらに助っ人が2人登場。
花巻市で林業を営む菊地哲夫さん。災害ボランティアの経験が豊富で、災害後もいち早く大槌へ向かっていた。
そして同じく花巻市の森林インストラクターで常に人助けをしたいと考えている道原僚さん。
こうして今日はBDF燃料、BDF車両2台、人数が揃ったので、午後から現地へ向かう。

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