地震から2週間。
「”矢作” に未だ連絡がとれない仲間がいる。何度電話しても繫がらないんですよ」と心配そうにサカワさん。
じつは僕らが連日ご協力頂いている自然農園、しょうちゃんの友人でもある。
その方が「いたごち自然農園」の生川 克比古・てるみさんご夫妻。
矢作コミュニティセンターで聞いてみると、「家にいるそうだ」との情報あり。
サカワさんと共に訪ねてみることにした。
もう暗くなってしまった山の奥。よく見えないが、古民家に灯りが見えた。
あったあった「ごめんくださーい」と声をかけると「はーい」と
ご無事でいらっしゃいました、生川ご夫妻。いやほんとよかったよかった。
「避難所で見かけたって人もいてね、もしかして!? と思ったりして」とサカワさん。
「消防団で避難所へも行ってたんですよ」と生川さん。
暗闇の中、古民家にポツリと灯る裸電球とヘッドランプに照らされて
思わず皆に笑顔がこぼれた。
連日、がれきの撤去作業や力仕事に出掛けていたのだろう。生川さんのお顔に少し疲労も見られたようだ。サカワさんより卵を100個支給。
地震当時、生川さんはちょうど沿岸のほうの街へ出掛けようとしていたところだった。
幸いにも出掛ける前に地震がおきたので、無事だった。現在電気は復旧したが、電話線がきれているそうだ。
「連絡とりたいときはどうしましょうかね」
「じゃあテレパシーで……」「のろしでもあげますか」
そんな何でもない会話が、なんだかとてもいとおしかった。