4/24 大槌港の漁師「10隻残った」。


「漁港の全財産が、たった10隻になっちまった……」
ここ大槌の港は漁船が700隻が往来し、市場も活気づく漁港だった。
しかし津波の後に残ったのはわずかにこれだけ。
漁師さんがため息まじりに坦々と語った。
「震災後、遺体の捜索に一度船を出したが、スクリューが海中のがれきにぶつかって曲がってしまった」
水中にもがれきの山がある。港は津波で一掃された状態で、船のドックも何もないので、修理もできない。
そんな状況でも漁を再開できたら……と思う気持ちもあるが、現実それも難しい。
魚を買ってくれる業者がおらず、
港に置かれていた大きな冷凍倉庫や設備も全滅してしまったのだ。
現在は残された船を守るために、
漁師の旦那さんは夜は奥さんと離れて、船内で寝泊まりする生活を送っている。
港には高い防波堤がたっている。
その壁を乗り越え、あふれ出すように津波はやってきた。
防波堤の背後にある街は倒壊し、がれきの山と化していた。
港のすぐ内陸にあり、避難所になっている赤浜小学校。
倒壊を免れたものの浸水。泥出しをして、そこに今も100名弱が暮らしている。
小学校の校庭で、海水をあびた桜の木が
もうすぐ満開を迎えようとしていた。
…………………
<<渡したもの>>
缶詰
ホッカイロ
女性用コート
乾電池 など

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