5/4 一歩さんとお化粧会 @ 釜石

連日、物資の運搬などを手伝ってくれている友人でもあり、化粧師の一歩さん。
今日は本業で釜石の避難所へ。被災者の方とお化粧を楽しむことに。
最初は「眉だけ整えてもらえればいいわ」という被災者の皆さんでしたが、
一歩さんと色々話をしてメイクをするうちに
どんどんお化粧への気持ちが蘇ってきたようでした。
ここに避難されているのは、津波の被害により、自宅もお店も損傷が激しく
戻ることができない方々。震災以降、お化粧は一度もしていませんでした。
お化粧ができない理由は
「他の人もしていないし、自分だけお化粧なんてしづらい。まして家がある人は、流された人に申し訳なくてできない……」
化粧品のあるなしの他に、被災具合の違いで被災者の間に遠慮する雰囲気があるのも現状なのです。

「3月11日以来、お化粧とか自分にかまうということなど考えなかった」
「今まで鏡を見るのもいやだったけど、前の自分に戻った感じ」
「商売をしていたから、ナチュラルながらも朝一番にメイクをして、そうしているのが基本だったのに」
眉の描き方、ファンデの塗り方、口紅のさし方などを優しく楽しく実践してみせる一歩さん。「メイクも大事に大事にすると、自分と一緒になってくるんですよ。気持ちが入らないとダメ。一番大切なのは心なんです」

「これまでただ塗るという気持ちだったけど、こんなに優しく楽しくメイクをしてもらってありがとう」と皆さんこんな笑顔を見せてくれました。
……………
とんでもない事態に皆が遭遇し、それぞれ心を痛めています。助かったことを逆に責めるのではなく、助かったからこそ一人一人ご自身の心と体を大切にしてほしい。
メイクや身だしなみを整えることをきっかけに、自分をいたわり心の声に耳を傾ける。そうして生まれた明るさや元気で、仲間たちとよりよく歩けるようになったなら。
お化粧や身だしなみは、ただ外見を変えるということでは決してないのですね。
皆さんから、何度も何度も御礼の言葉をいただきました。
また「一歩さんとお化粧の会」は被災地を巡回していきます。

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