4/21 アレルギーをもつ被災地の子どもたち

「いっちゃん!! いっちゃんが食べられるお菓子が届いたよ! 」 
“おさなご幼稚園” の先生がうれし涙を浮かべながら手招きすると、
いっちゃんが、いちもくさんに駆け寄ってきた。
「ほんとに!? やったー!!」
うれしそうにクッキーをかついで、こちらに笑顔を見せるいっちゃん。
被災生活を送るいっちゃんは、卵やくるみなどのアレルギーをもっている。
口にするとひどいかゆみと湿疹が出るため、食事の自由がきかない。
このクッキーは「卵なし、ミルクなし、バターなし」
銀座のパティシエが手作りしてくれたアレルギー対応されたもの。
自然農家しょうちゃんの家へ届き、僕らが配達することになったのだ。
アレルギーをもつ人々にとって、食事事情は切実だ。
避難所で配給されるパンやカップ麺、お弁当やお菓子は食べられない。
ここ大槌では、震災により周辺の街は倒壊し、食材を買えるスーパーもひとつもない。
頼りの支給物資の中には、アレルギー対応されたものが入っておらず、
いくら待っても手に入らないのが現状だ。
「もし、少しでも口にして発疹が出てしまっても、
薬もない、洗い流すシャワーもないんです」と幼稚園の先生。
普段から給食を食べることができず
いつもお母さんのお手製弁当を食べていたいっちゃん。
震災後も炊き出し隊やボランティアが厚意でもってくる美味しそうなお菓子も
ひとりだけ口にすることができずにいた。
津波による生活の変化と、心のダメージ、こうしたストレスで
最近体調を崩し気味なのだという。
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物資が充足してきたいっぽうで、アレルギーをもつ人々にとっては
未だ食料食材不足の過酷な状態が続いている。

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