神秘のガンガラー谷

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「ガンガラーの谷」、それはおよそ数十万年前にできた洞窟の天井部分が崩落し、それによってできた谷間に広がる森と洞窟。数百年も前から、地元の人々に聖地として崇められてきた特別な場所だ。
この地を守るのは樹齢150年にもなる大主(ウフシュ)ガジュマルの木、奥には人々が命の誕生と子の健やかな成長を願う「種之子御嶽(サニヌシーウタキ)」、そして1万8千年前の古代人「港川人」居住跡の可能性から発掘が今も行われている洞窟「武芸洞」……と、スピリチュアルな地が続く。人々はここに魂のサイクルを感じ、敬い、祈りを捧げてきた。
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そんな聖地「ガンガラーの谷」で、トークショー&セッション「Transit For the Future」を行えることになった。場所はその洞窟内にある「ケイブカフェ」で、すぐ横にバスコファイブも展示する。
特別な洞窟に抱かれて、仲間とトークができる。僕はとてもうれしく、また同時に心の芯が凜とするような思いに包まれた。
「単なる観光地としてではなく、人と自然の関わりを真剣に考え、自分たちも受け継ぎ、古代の魂と触れ合える場所として人々に見てほしい」ここでツアーやカフェをオープンする高橋さんらのそういった思いにも強い感銘を受けたのだ。
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いよいよ洞窟へ。芝生を抜け、樹木たちの間の坂道をバスコファイブで下りると、穴がぽっかりと口を開けている。一端車をとめ深呼吸をし、慎重に奥へ入ると、広い洞内に辿り着いた。世界一周をしたけれど、こんな空間にバスコファイブを入れたことはなかったな。シャッターをきり、少しの間静かに場所を感じてみる。岩と岩の間から夕暮れの光をうけ岩肌が黄金色に輝いている。どこかひんやりとした空気には樹木や岩々の呼気が宿り、呼吸をすると身体の内側から浄められるようだ。きっと相棒バスコファイブも同じことを感じているに違いない。
打ち合わせやセッティングを行い、講演が始まる頃には辺りすっかり暗くなっていた。ライトアップされた洞窟の中央に皆で集うようにして、イベントが始まった。皆さんとの距離が近くて、話しかけられるようにトークができる。なんだかとても穏やかな気持ちだ。
まずは僕のスライドショーから。世界一周の時の写真や説明に加え、じつはここではいつも学校で行う講演とは違うアプローチで写真を流すことにした。この空間からインスピレーションを受けて、旅の視点から地球のさまざまな風景を見て頂きたいと思ったのだ。皆さんの目にはどんなふうに映ったかな!?
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後半はいよいよトークセッション! 題して「太古の洞窟で語るこの星の未来」。
メンバーは、「アーストリップ」の中村圭一郎さん、脱石油型社会を目指す地域活動家のガリさんこと井上聖さん、沖縄の自転車小僧こと安井楓さん、そして僕の4名。
地球のこと、これからの未来のことなど、それぞれ分野の違うメンバーが集いトークできたこと、皆さんに聞いて頂けたことがとてもうれしかった。4名が話すには当然ながらあまりにも時間がなかったが、またこのような機会をぜひとももてたらいいなと思っている。
この日もたくさんの方に廃食油を頂いた。普段は昼間の講演であまり披露できないが、LEDライトが光るバスコファイブの夜の姿もゆっくり見て頂くことができた。この日、ケイブカフェに飾られていたガジュマルの写真を撮影した小町さんにもご来場頂き、油を注いで頂いた。
最後はゲストやスタッフすべての人で輪を作り、目を閉じて祈りを捧げる。きっと人々は昔からこうして想いを受け継いできたのだろう。岩の間からは、月が輝き顔を出していた。
ご来場頂いた多くの皆さん、そして「ガンガラーの谷」のスタッフの皆さん、中村さん、ガリさん、安井さん、すてきな時間をありがとうございました。いつの日かここで再会し、トークしたいですね! そしてそのときはここをゆったり歩き、また古代の時間に耳を傾けてみたいなと思う。

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