大木町のゼロエミッション

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大木町の「おおき循環センターくるるん」については、町から生まれるあらゆるゴミを再利用する循環型の施設があると聞いていてとても興味をもっていた。そこでセンターに電話で直接問い合せると、心よく話をうかがう時間を作っていただくことができた。
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大木町の循環センターについて質問してみると、センターを作り始めたのは04年の末で、05年には完成していた。当時の町長(故・石川たかふみさん)が、環境に取り組む町造りをさまざま行っていた。その中の一貫で、このバイオマス構想があったのだという。(現町長は、その際からすでに関わっていた)
大木町の特徴として下水道がまったくない(整備されていない)。基本的に合併浄化槽(浄化槽のミニタイプ。微生物処理を行う)そこできれいにして流しましょうということ。
クリーク(小川)がたくさんあるので、きれいな水を流そうという考えのもとに合併浄化槽という施設にした。ここには風呂の水、屎尿もすべて流すというからビックリ。
設置に関する値段は、通常60〜70万円ほどで、町からも補助が出ているそうだ。下水道整備にしては、安くすむ。各家庭での負担は、生物処理をしているための「状態確認」「汚泥をひきぬく浄化槽の清掃(1年に1度)」、それらの費用を含めて年間5〜6万円。なので下水道の使用量と比べれば、そう高くはない。町にとっては、下水道整備・管理・処理場もいらないという利点があるという。
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汚泥もしくは屎尿は、以前は海洋投棄をしていた。しかし平成19年1月に、国際条約で禁止になり、その猶予期限である5年がきれた、その問題が大きいものであった。新しい施設か、もしくは、近隣施設を使うのか。そんな中で、生ゴミの発酵分解をしようという考えも生まれ、モデル事業の前(平成12)の時点で、その構想ももうできあがっていた。結果、はじめようというときに、バイオマスの認証制度がでてきたのでちょうどいいタイミングでだった。現在センターでは、屎尿、浄化槽、生ゴミをすべて受け入れる施設となった。
エネルギー利用に関して。基本的には発酵槽に入れるだけ、そして……
●発酵途中のガス…メタンガスが主な成分。これは発電機の燃料。
●その発電機の熱…水を流しこみ、お湯にかえている。(出た温水は生ゴミ回収のバケツを洗う用の水、37度中温菌の発酵槽の保温、発酵後の液を殺菌する熱交換用のお湯、施設の暖房に利用)
●肥料として使用するためにタンクにためている。
これらのエネルギーすべては町内で使用している。町内の農家に、散布料を頂く(作付けの前に)。散布量は10アールあたり1000円(通常の肥料代の1/5〜1/7の値段)で、肥料台は無料! しかも肥料は認可もおりているきちんとしているもの。そのため、申し込みが多くて足りない状況である。家庭菜園での使用も、町内に在住であればどれだけ使用しても自由。できたお米も町内では3割引で購入でき、学校給食もそれを利用している。
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<<その他の情報>>
メタン発酵が重要!
資源化をすることでゴミを減らそうというのが目的で、現在までに44%減らしているそうだ。表は償却せずに使用したもの、もしくは燃えないゴミ。
ごみが資源化することで減っていっているという。「もったいない宣言」を昨年3月にし、2016年までに、燃やすゴミをださない、燃えないゴミを埋め立てしない=ごみを資源化するそうだ。
家庭でごみを減らそう(マイバッグ、マイハシ)なども進めていこう、どうしても減らないところは、意識に関わるので、出たものは資源として使おう、市民に分別してもらおうという風にしている。
町民は分別に興味がある人や慣れている人が多いく、リサイクルセンターに住民が自由に持って来て、出せる。あるのは一箇所のみ。それ以外は地区分別で公民館などで分別している。
バイオディーゼル燃料は、分別ゴミとして回収していて、センターでバイオディーゼル燃料にし、センターの輸送用トラックの燃料などにしているそうだ。

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