ロシアの物理学者、テルミン

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昨日まで登っていた山を朝から下りる。昨日歩き過ぎたせいか、足がちょっと痛い……けれど、いい天気で気持ちがいい。キャンプ場からバス乗り場まで2時間ほど歩く。
昼前に上高地を出て、向かったのは箱根の「箱根写真美術館」。楽しみにしていた「テルミン」の演奏会があるのだ。
「テルミン」をご存知だろうか? このかわいらしい名前の楽器、じつは世界最古の電子楽器。1919年にロシアの物理学者、レフ・セルゲーヴィチ・テルミンさんが発明し、その名前が命名されたのだそう。
テルミン奏者は、やの雪さん。ヴォーカル・ギターに音楽家の赤城忠治さん。じつはお二人と、僕の母親はとても仲がよく、ぜひとも演奏をお聞きしたいと思っていた。それが今日ようやく実現する。楽しみだなあ〜!
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会場に到着すると「箱根写真美術館」の館長さん・遠藤桂さんが、出迎えてくれた。遠藤さんは地元箱根出身の写真家。先代のお父様もここで昔から写真館をされていて、現在は一緒にギャラリーを運営されているそう。遠藤さんは富士山の作品を多く撮影していて、この日の演奏会場にも富士山の写真が飾られていた。「8×10カメラや中判のハッセルで撮影しています。富士山まではここから近いですから、コンディションがいいなと思ったら、すぐに車を走らせて撮りにいくんですよ」と遠藤さん。月明かりを使って露光したものや、夜に長時間露光したものなど、すばらしく神秘的な写真だった。
16時30分からは、いよいよ「テルミン」の演奏会が始まった。
その演奏風景がまた独特だ。テルミンには鍵盤や弦のようなものは存在しない。箱にアンテナが2本、縦横に配置されていて、そこから出る電磁場を手で調整して演奏する。木製の箱に手をかざして音の波動を操る、その姿はまるで魔法使いのようだ!
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弦楽器のような、電子楽器なんだけれど、人間や動物の声のように温かい感じもあって……繊細でいて厚みもある。その音色が不思議で神秘的なのだ。
小さなスペースで弾いているので、目の前に座る僕ら観客が動けば、その波動が動いて音楽に影響してしまうそうだ。だからなるべく動かないように……と、そんな事情もなんだかおもしろい(笑)やの雪さんと、赤城さんのほのぼのトークにもすっかり魅了された、すてきな時間だった。
演奏の後、みなさんと近く行われる花火大会を眺めた後、やの雪さん、赤城さん、「築城せよ!」の映画監督、古波津陽さんら皆さんが、僕の車を見学してくれた。夜のバスコファイブは照明が光って、昼間とはまた違う雰囲気がある。「バックトゥーザフューチャーみたい!」と喜んで頂けたようだ。
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