BDFを精製する「めばえ幼稚園」

大聖坊を後に、北へと走り始める。次に向かったのは金山にある幼稚園。

じつは大聖坊で一緒に宿泊していたかたから「すばらしい幼稚園があるので、ぜひ立ち寄られたらいいですよ」と紹介して頂いたのだった。

その名は「めばえ幼稚園」。電話すると残念ながら園長先生は不在とのことだったが、見学をさせて頂けることに。

まず門を入り、なんと目にとまったのはBDFの精製機。5年ほど前から幼稚園の送迎バス2台にBDFを使用しているそう。油は近くの給食センターやホテル、子供たちの家からも持ってきてもらう。環境と体に優しいものをという理念のもと、園長先生自らせっせとBDFの精製をされているのだそうだ。ドライバーの大場博さん、大場英輔さんに、そのバイオディーゼルカーを見せて頂いた。バンのほうは、ペインティングがとってもかわいい!


「菜の花の種を子供たちに配り、次の年に穫れた種をもってきてもらい、その油で天ぷらをしたり楽しんでいます。園内の畑で農薬を使わないで子供達とお野菜を作って、みそ汁にしたりしているんですよ」と、案内をして頂いた保育士さん。

幼稚園を見せて頂くと……なんと柵のようなものは一切ない。どこから出入りしてもいいのだ。遊具も自然素材のもので作られていて、工作で使うガムテープも燃やして無害なものを選んでいるそうだ。

「自然に勝る教師はない」と、柵を作らずに、草や木や虫、すべての自然に触れながら生活できるようになっている。ポニーや鶏、うさぎ、犬の動物も飼育しているのだそうだ。

「そこにあるピザ釜も、ニワトリ小屋も、ぜんぶお父さんやお母さんたちの協力でできたものなんです。裏山にはツリーハウスがあるんですよ。よかったら自由に見ていってください」と。


歩くこと1〜2分、園舎から続く裏山へ登ると……なんとすてきなツリーハウス! 眺めもとてもいい。童心にじんわり火がつくように、ワクワクしてくるのだった。杉林の緑に包まれた土の小径もとっても気持ちがいい。最近ではめっきり見なくなった裏山がという自然が、こんな形で体験できるとは思ってもみなかった。

園内の校舎に入ると、木のぬくもりにあふれた手作りのおもちゃがいっぱい。「土の絵の具」や古くなった椅子からできた「手作りの積み木」とか。自然素材のモノたちがじつに優しい空間を作っていた。中でもすばらしいのが、木の遊具。登れるものがケヤキの木、中が空洞になっていて出入りできるのがトチの木。チェーンソーアートのお父さんが作ってきくれたそうだ。これは楽しそう!


自然に触れながら、お父さんやお母さん、地域の皆さんと協力しながら子供を育てていく。すばらしい幼稚園だと思う。きっと、人も含めすべての自然を大切にする気持ちを育み、心身ともにすばらしい方向に子供達は向かっていくのではないかな。

現在、園児は66名。来年は保育園と合体する予定。千葉県の我孫子にも同系列の幼稚園があるそうだ。今回は井上園長とお会いできず非常に残念でしたが、機会がありましたらぜひお会いさせていただきたいと思います。

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