1年ぶりに「北清企業」へ

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今日は札幌にある「北清企業」へ向かう。
こちらは産業廃棄物の収集や運搬などを行う会社で2005年からBDFを作っている。僕が初めて訪ねたのは2006年。バイオディーゼルで日本縦断をしていたときで、それ以来お付き合いを頂いている。BDF事業に関してすばらしい理念と情熱をもって取り組まれていて、お会いするといつも清々しい気持ちにさせてくれるのだ。
札幌に到着したのでご挨拶に連絡をしたところ、お時間を割いて頂き、さらに燃料も快くサポートして頂けるとのこと。……じつは僕らは札幌での講演のため、東北から急いで道内に入っていた。そんなこんなで、すでに予備燃料も尽きてしまいそうな緊急事態だったのだ……「応援していますよ、僕らができることを協力させて頂きます」と大嶋社長。ほんとうにありがたい。
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北清企業がBDFを取り組んでもう7〜8年が経つ。
ここ北海道の冬は厳しい。近年ではそれをひとつのテーマに「氷らないBDFを作ろう」という実験を、道立の試験場と共に行ってきたという。
「BDFを、氷らせて溶かして…を繰り返すと、溶けない部分がでる。それにさらに精製を繰り返していくと、マイナス外気にも耐えられる燃料になります。今年の冬に行った実験では、マイナス30度で使える燃料になりました」
実際に車体を使った実験で、マイナス20度でもまったく問題はなかったという。作れる技術は実証した。現在はどれくらいやればマイナス何度まで耐えうるか、使える燃料としてどこまでできるかという次のステージを研究中なのだそうだ。
「寒さ」という問題に、BDFに関わるほとんどの人々が頭を抱えている。
僕もシベリアを抜けたときは、マイナス40度まで大丈夫だと言われる、実験段階の流動点降下剤を使用したし、車を止めればすべてが氷ってしまう民家もないところは、不眠で運転し続けた。
日本ではとくに北海道ではその壁は厚いが、まだ一般では難しいにせよ、技術がここまできたのだ。すばらしい研究と成果だと思う。
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大嶋社長は続ける。
「BDFの売り上げの大小ではなくて、子供たちの家庭からも出てくる廃油でひとつの循環の輪に携わることができたり、環境教育にもなりバトンを次に渡していくことができる。そういった次世代につなぐことができる活動ができている。やり続けてきて本当によかったなと思っているんです」
「例えばひとつの川でも、真っ直ぐな川はありません。うねったり蛇行して生態系が保たれていますよね。今はまさに川ひとつでも、あえて蛇行する川を作るような時です。モノを作り、モノを大切にしてきた時代に、プラス、少し違うバージョンというように。原点回帰するような時代だと思うんです。……そしてチェンジの時代。そこでバランスをもった人間、リーダーが出てくるとすごくおもしろいなと思うんです」
何を目指して、どう他者と差別化していくのか。何を大切に想うのか。
しっかりとした理念をもって強い根をはり、スキルアップの枝を着実に伸ばしていく。
僕も北清企業さんの取り組みを、心から応援したいと思う。
大嶋社長、今村さん、北清企業の皆さん、いつも温かいご声援とご協力を頂き、ありがとうございます。また次にお会いできる日を楽しみにしています。

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