キャニオンディシェイ

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3月18日(火)晴れ ツェイリ→サンタフェ
荷作りして外に出ると、地面いっぱいに霜がおりていた。気温マイナス5度だ。標高が2000m以上と聞いているから、寒いだろうと覚悟はしていたが、まさかアリゾナでシアトルやポートランドより寒い朝を迎えるとは、とても意外だった。BDFは寒いと固まってしまい、エンジンがかかりにくいし無理を強いればエンジンをいためてしまう。もちろんそれなりにヒーティングシステムは搭載しているが、スタートさせる前にヒーターを巻きつけ、燃料をあたためた。いざ!
白い煙が少々出たが、かかりは悪くない。近くに住む知り合いのナバホの家族に寄って欲しいと言われていたので、その家を目指した。今まで他の車で運転していたときは、道のでこぼこやアスファルトのパッチなどあまり気にしたことがなかった。でも、バスコファイブには精密機械が積まれていて更に重量があるので、いかなるギャップも見逃せないで運転している。だから、ほんの数マイルの距離が長く感じられた。
住所や目印になる建物はないので、記憶をたどってどうにかその家にたどり着いた。待ちかねていた家族は、上着もきちんと着ないまま外へ出てきたくれた。おばあちゃんまで物珍しそうに車を見に来て、「ニジョーニエ(かっこいいね)」と言ってくれた。廃食油で燃料を作って走っているというと、目を丸くして両手を広げて肩をすかせてみせた。ユーモアのセンス抜群だ。しばし車談義に花を咲かせ、別れの時が来た。
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タツヤはキャニオンディシェイが初めてで、僕もサッチンも大好きなのでぜひ行きたいと思っていた。でも、燃料の量と時間を考え、泣く泣く諦めた。こんなこともあるさ。またゆっくり来たいものだ。
12号線を南下しウィンドーロックに着いた。唯一のホテルにあるカフェテリアで食事をしようと車を停めると、一人のナバホの男性が僕らの車を食い入るように眺めながら近づいてきた。「バイオディーゼルで走っているのか?」(失礼ながら)意外な質問にあっけにとられていると、彼のほうから説明してくれた。彼はナバホ族の政府で働いていて、エネルギー関係の部署にいるとのことだった。最近新エネルギーのコンファレンスに参加し、そこでハワイでバイオディーゼルの原料になる植物を栽培・販売している人に会った。これから食事だと言うと、「じゃ、オフィスに行ってその資料を持ってきてやるよ。」と走って消えていった。
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バイオディーゼルは、化石燃料から作った燃料にくらべて、はるかにクリーンだ。でもよく非難される点は、食料や飼料になるものを原料にするケールだ。僕らはあえて廃油にこだわって燃料を作っているがさらに食べ物ではない原料や育てるのに広大な土地を必要としない次世代の原料をリサーチしている。だから、ここでそんな情報が手にはいるなんて、「プレザント・サプライズ(うれしい驚き)」だった。
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ルート66号線沿いに走るI”40に、ギャラップから乗る。ニューメキシコに入ったぞ。ここでひとつ心配事があった。もちろん「燃料」だ。今日はサンタフェまで走るが、あさって20日にはコロラド州のデンバーまで600km以上の走行予定だ。どうやっても燃料が足りない。しかも着いて早々サンタフェでどれだけ廃油を集められるのか・・・。
今までできたネットワークを使って、いろいろ声をかけたところ、フラッグスタッフのエドがサンタフェの近くでバイオディーゼルを作っている人を紹介してくれた。親切なブライアンは、自分の集めた廃油を少し分けてくれるという。何て親切な!とにかくサンタフェに着けばどうにかなる。そう思うと早くサンタフェに着きたくて気がはやるが、ここは燃費走行に徹底せねば!
廃油回収 106L
走行距離 519km
お世話になった人たち:ジェリー、オードリー、オーランド、リタ(ナバホの家族)、ブライアン(廃油)

カテゴリー: north america パーマリンク

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