龍岩祭 @ 蔵王2日目!

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昨日の夜遅く。蔵王の黒姫スキー場に到着した。ズンズン響く音が間近に聞こえてくる。
そう、龍岩祭にやってきたのだった。龍岩祭とは「蔵王音楽祭 蔵王龍岩祭&モズライトフェスティバル」のこと。音楽を中心とした蔵王最大の野外フェスティバルだ。
じつはこのお祭りの実行委員長の五十嵐さんは、僕が1年半前に日本一周を出発したときの代々木アースデイのスタッフでお世話になったのだった。昨年ここ蔵王でも再会していた。
そんなご縁もあり、今回連絡をすると急きょ参加させてもらうことになったのだ。
「好きなことをやるお祭りなので、周生さんも好きなことやっちゃって楽しんでくださいね」と五十嵐さん。なんと……そういうのは僕も大好き(笑)
ズンズンスチャスチャ……ライブ音が山々に響くように鳴っている。ステージは全部で4つ。ダンス天国だったり、ゆるゆる音楽を楽しんだり、当日申込みできる飛び入り制だったり……とスキー場の土地を生かして、それぞれ違うオトと空気を楽しめる。それをつなぐように屋台もずら〜っと並んでいる。四方が自然に囲まれているのがまたいい。何だかでっかい文化祭にきたみたいだ!
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僕らは本部の隣、屋台の並ぶ入り口近くに車をとめさせてもらった。後のハッチを開けてパネルも飾ってプラントを公開。ついでに燃料も精製する……と、ひっきりなしに声がかかる。
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「この機械、ビールサーバーですか!?」「このクルマはなんなんですか!」「テレビで見ました、これ本物ですか!?」……とか。バイオディーゼル燃料(BDF)を知らない人も多かった。説明すると、みんな楽しそうに驚いてくれるのだった。聞けば、皆さんの職業はさまざま。地元の方々も多かったけれど、東京近郊はもちろん遠くは北海道から来ていた人も。野外音楽祭だけあって、けっこう年齢の若い方からもたくさん声をかけてもらえたのもうれしかったな。アースデイの時にお世話になった皆さんともこれを機会に再会できたのも感激だった。

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ZAWO !

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いよいよ出発

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さて、もうこんな時間! 夕方どころか夜になってしまった。パネルを片付け、出発する。最後は吉田さんが見送りにきてくれた。
「またぜひいらしてくださいね、楽しみにして応援しています」
と声をかけて頂き、固い握手を交わした。
あっという間だったけれど、温泉宿の様々な可能性を目前にすることができ、すてきな出会いに恵まれた2日間だった。
滞在中に燃料の方も精製も進み、約70リットルの燃料がイオン交換樹脂に通す段階まで来た。ここで少しでも北海道まで走る燃料を作っておかなきゃならないので、場所を貸していただきほんとうに助かりました。
ほほえみの宿滝の湯の皆さん、ありがとうございました。
いただいた廃食油:20リットル
お世話になった方:吉田さん、梅澤さん、山口社長、旅館の皆さん。

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陽だまりハウス

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じつは昨日「陽だまりハウス」のオーナーの木下さんが車を見にきてくださって、声をかけてくれたのだ。お店ではオーガニック食材や、環境にやさしい石けん類など体に優しい衣食住のさまざまなモノを取りそろえているとのことで、こちらもぜひ伺いたいと思っていた。
「コンニチハ〜」とおじゃますると、木の温もりが優しい雰囲気の店内には、食材や飲料から小物や本まで、たくさんの体を元気に健康にするモノたち。エコ石けん&洗剤の数々にも驚いた。こんなにたくさん種類があったら選ぶのも楽しいだろうな〜。「人によって肌質や好みも違うので、合ったものを選んで頂きたくて」と木下さん。
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子供たちのプレイルームのある2Fでお茶をご馳走になりながら木下さんにお話を伺うことができた。農薬の影響をご友人が体験したり、ご自身の体と向き合ったとき、本当に体にあった優しいものってなんだろう?と考えた。そのことが、このお店がオープンしたきっかけなんだそうだ。
 息子さんとの日常の様々な出来事や、生きることってなんだろうということを、ごく自然に素直に向き合っている木下さん。短い時間だったけれど、とてもいい時間を過ごすことができた。最後は一緒にお店をやっている妹さんと記念撮影をパシャリ! お二人は見えなくなるまで手をふってくれた。またきっと、どこかでお会いできたらうれしいな。
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江戸は理想の循環型社会

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この広重美術館には、約2000点の作品を所蔵し、毎月テーマをかえて展示替えを行っているそうだ。梅澤さんが自ら館内を丁寧に案内して頂いた。
広重と浮世絵。これがまた知っているようで知らないことばかり。「歌川広重と安藤広重って同一人物?」「浮世絵って一枚いくらくらいで売られていたの?」「浮世絵の絵の具は何を使っていたの?」……などなど、質問をペラッとめくると回答の書いてある子供向けQ&A方式に夢中になった。これはむしろ大人向けでも断然わかりやすくておもしろい!!
 浮世絵を見ることで、江戸時代の人々の暮らしや生活の知恵を、細かく解間見ることができた。それは、疑問が投げかけられている私たちの現在の暮らしを振り返ったり、参考にしたりするのに、非常に役に立つことばかりだった。当時は電気もガスも当然ないから、皆がある資源を分け合って、自給自足の生活を送っていた。例えば紙の再利用や壊れたものを修理して使ったりすることも、今では「リサイクル」という言葉が使われるけれど、当時はそんな言葉もなく、当たり前に行われていたことなのだ。
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人間の欲望が大きくなり、文明も大きくなる一方で、様々な問題も抱えている。「”足るを知る”って、本当にその通りだと思うんです」と梅澤さん。うん、本当ですね、この言葉をもう一度たち返る必要があるように思う。
館内は撮影禁止のため、ここではあまり写真でお見せできないのだが……許可を頂いて唯一撮ったのがこちら。「江戸時代の屋台そば屋」を再現したもの。「みんなで作ったんですよ〜」と梅澤さん。実際に作ってみると、この移動そば屋がいかに能率的にできているかが、わかったそうだ。でも想像以上に重い。昔の人の”タフを知る”……だ。
併設されているカフェで涼みながら、もう少しお話を伺った。梅澤さんはある本を見せてくれた。それは江戸の様々な生活について書かれている本だった。「これを見たときから、私たちの美術館が向かうべき方向が見えたんです。堅苦しくてわかりづらい美術館ではなくて、ここで楽しんでもらうにはどうしたらいいか、常に試行錯誤しています」と梅澤さん。
お話がとてもお上手で楽しませてくれる梅澤さんに率いられ、浮世絵のこと、江戸時代の暮らしのこと、美術館のことも伺うことができて、とても楽しい時間だった。

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滝の湯で燃料精製

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今日もいい天気。
昨日から天童温泉「ほほえみの湯 滝の湯」にステイさせて頂き、引き続き車を展示しながら、燃料を精製している。走りながらできる精製もあるけれど、今日の作業は、電源を確保できて、地面が平らで、雨風がしのげるところがベスト。でもなかなか旅の中ではそうもうまくいかない。すべてが揃っていて広々としたこの滝の湯さんの空間は非常にありがたいのだ。
昨日は時間がなくて暗くなってしまったのだが、今日は車に積んでいるパネルを並べることに。
朝のチェックアウトの時間が近くなると、たくさんのお客様が玄関を通って、大きな観光バスへと乗り込んでいく。皆さん「このクルマは何だ!?」という目線を送りながらバスへ向かう。中には立ち止まってじっくり見ていかれる方もいる。
着物を着た女性スタッフの皆さんと少しだけお話する機会があった。みんな目をまん丸にして驚きながら「韓国には行かれましたか?」と。世界一周ではまだ韓国へは行っていないが、じつは韓国のNPOから依頼があり、来月講演をしに行くことになっている。そのことを伝えるとひとりのスタッフから「じつは私は韓国出身なんです! 私も連れていってほしいな〜!」とにっこり。こういった出会いはすごくうれしいものだ。韓国行きも非常に楽しみだ。
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……と、社長の山口さんも、わざわざクルマを見にきてくださった。このプラントの細部や、世界のバイオディーゼル事情など、説明ひとつひとつに静かに時間をかけて耳を傾ける山口社長。聞けばこちらの宿は、上から課題を出していくのではなく、スタッフが勉強したいことはどんどん自分たちで進めてチャレンジしていきなさい、という方針なのだそう。社長さん自らも忙しい合間をぬって、わざわざ時間をとって見にきて頂いたのだった。BDFの精製と利用も、近い将来さらに進化していくのだろうな。
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吉田さんと昼食をご一緒し、その後「広重美術館」へ。広重とは、かの有名な浮世絵を描いた歌川広重。じつは天童と広重は深いご縁がある。そのため生誕200年にあたる平成9年に、広重美術館が誕生したということだ。
じつは「ほほえみの宿 滝の湯」とこの美術館は同系列にあり、昨日講演に来て頂いた環境衛生委員会の一人、梅澤さんがここの学芸員をしている。ぜひともお話を伺いたい! と思い、展示を見に行くことにした。

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滝の湯で燃料精製

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今日もいい天気。
昨日から天童温泉「ほほえみの湯 滝の湯」にステイさせて頂き、引き続き車を展示しながら、燃料を精製している。走りながらできる精製もあるけれど、今日の作業は、電源を確保できて、地面が平らで、雨風がしのげるところがベスト。でもなかなか旅の中ではそうもうまくいかない。すべてが揃っていて広々としたこの滝の湯さんの空間は非常にありがたいのだ。
昨日は時間がなくて暗くなってしまったのだが、今日は車に積んでいるパネルを並べることに。
朝のチェックアウトの時間が近くなると、たくさんのお客様が玄関を通って、大きな観光バスへと乗り込んでいく。皆さん「このクルマは何だ!?」という目線を送りながらバスへ向かう。中には立ち止まってじっくり見ていかれる方もいる。
着物を着た女性スタッフの皆さんと少しだけお話する機会があった。みんな目をまん丸にして驚きながら「韓国には行かれましたか?」と。世界一周ではまだ韓国へは行っていないが、じつは韓国のNPOから依頼があり、来月講演をしに行くことになっている。そのことを伝えるとひとりのスタッフから「じつは私は韓国出身なんです! 私も連れていってほしいな〜!」とにっこり。こういった出会いはすごくうれしいものだ。韓国行きも非常に楽しみだ。
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……と、社長の山口さんも、わざわざクルマを見にきてくださった。このプラントの細部や、世界のバイオディーゼル事情など、説明ひとつひとつに静かに時間をかけて耳を傾ける山口社長。聞けばこちらの宿は、上から課題を出していくのではなく、スタッフが勉強したいことはどんどん自分たちで進めてチャレンジしていきなさい、という方針なのだそう。社長さん自らも忙しい合間をぬって、わざわざ時間をとって見にきて頂いたのだった。BDFの精製と利用も、近い将来さらに進化していくのだろうな。
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吉田さんと昼食をご一緒し、その後「広重美術館」へ。広重とは、かの有名な浮世絵を描いた歌川広重。じつは天童と広重は深いご縁がある。そのため生誕200年にあたる平成9年に、広重美術館が誕生したということだ。
じつは「ほほえみの宿 滝の湯」とこの美術館は同系列にあり、昨日講演に来て頂いた環境衛生委員会の一人、梅澤さんがここの学芸員をしている。ぜひともお話を伺いたい! と思い、展示を見に行くことにした。

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ほほえみの宿とBDFの関係

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今日もいい天気。すさまじい暑さが続く。が、時々にわか雨も降る。
旅は山形へ入った。
ここ山形は昨年の10月に講演をさせて頂いたり、バイオディーゼル燃料を熱心に推進されている山形市長と対談をさせて頂いたり、ご縁のある場所でもある。
じつは、山形のバイオディーゼル事情を調べているうちに、温泉宿でBDFを作られている方のブログ「縁の下の力持ち」に辿り着いた。そのブログの主は吉田栄二さん。どうやらBDFを精製し、送迎車などに使用しているという。コンタクトをとったところ、僕らのプロジェクトにも興味をもって頂けて、訪問することになった。
その吉田さんがいらっしゃる宿が、天童温泉の「ほほえみの宿 滝の湯」。
広々とした玄関に辿り着くと、BDFを担当されている吉田さんや皆さんが出迎えてくれた。同じ玄関前にとめてある送迎車を見ると、BioDeiselのステッカーが。この車でBDFを入れてゲストの皆さんを送り迎えされているのだろう。
IMG_0322sxc.JPG IMG_1919sxc.JPG IMG_1946sxc.JPG IMG_1955.JPG DSC_4534sx.JPG DSC_4589sx.JPG DSC_4559.JPG DSC_4553.JPG
この日は玄関で電源をお借りして燃料を作りながら、車を展示。宿の環境委員会の皆さんへもミニ講演をすることに。そうして今晩は「ほほえみの宿 滝の湯」さんに泊めさせて頂くことになった。とてもありがたいお申し出だ。クルマを実際に見て頂くことで何か少しでも皆さんのお力添えになれればなあと思う。
さっそく3時半から末広の間にて、プロジェクターを使ったミニ講演をスタート。まだまだお忙しい時期にも関わらず、ホテルの環境衛生委員会の皆さんが集まり熱心に聞いてくださった。山形でBDFを精製する石山さん、BDFの機械を制作するトータルシステムの志斎さん、今井さんらもかけつけてくれた。
トーク内容は主に「世界一周で見てきた世界のバイオディーゼル&エネルギー事情」について。
「エネルギーリサーチをしてどの場所がいちばん印象に残っているか?」「環境を守ることに対してお金をかけられないような国々も見てどう思ったか?」など熱心なご質問がとびかった。
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この宿では、環境衛生委員会を作り、地球にも人にもローインパクトな配慮を少しでも実現すべく挑戦している。そのひとつがBDFの取り組みだ。
厨房から出る油でBDFを精製し、送迎用のマイクロバス1台&ワゴン1台、荷物などを運ぶ作業用トラック2台、農耕トラクター1台に使用している。
主に年間8000リッターを作る。うち5000リッターはBDFとして車両に使用。残り3000リッターはボイラーなどに使用するそうだ。
「厨房から出る油の量はお食事のメニューによっても違いますから、思わず多く出る日も、逆に少ない日もありますが、ほぼ2日に一度は精製する作業量です」と吉田さん。
その厨房から出た油を、ありがたいことに少しわけて頂いた。この油がきれいで、上品な香りが漂っていた。有機野菜を中心とした体に優しいメニューにこだわりをもたれているからだろう。廃食油も、作る人や調理する人の心が、そのまま表れるものなのだ。
吉田さんをはじめ、スタッフ皆さんにその油を注いでもらう。「実際の作業や続けていくことは地味で地道なものですが、このクルマに出会って勇気をもらいました!!」とうれしいご感想を頂いた。
DSC_4674.JPG DSC_4664.JPG DSC_4650.JPG DSC_4645.JPG
施設管理課の主任を務める吉田さんは、この宿のBDF精製を一任されている。BDFの精製現場を案内してもらえるとのことで、見せて頂くことに。
厨房で使われた油はポリタンクで1箇所に集められ、2日に一度、精製機を回してBDFを作る。精製機は1バッチ100リッターの、トータルシステム社製。触媒はメタノールと、水酸化ナトリウムを使用している。水洗浄を行い、静置は約1時間。最後は1ミクロンのフィルターを通して完成だそう。
「朝作れば夕方には完成します。ホテル業務の合間に作業していますから、タイマーが鳴ったら精製機の所に戻って……を繰り返します」と吉田さん。
 BDFを始めたのがちょうど2年ほど前。社長にBDFを作ってみないか、担当してみないか、と言われたのがきっかけ。それ以来、トータルシステムに通って勉強し、試行錯誤して作られているそうだ。「やってみたら楽しくて仕方ないんですよ! その日の油によって反応具合が違って本当におもしろいんです」と吉田さんは笑う。
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この宿では、ゲストの健康はもちろん環境へ配慮する取り組みがさまざまなされているという。例えば料理の食材。自家農園で栽培した無農薬有機野菜を作り、天然調味料を使って調理している。「お客様に新鮮かつ、体と自然に優しいお野菜を食べて頂きたい」という社長さん自らの強い意志で、約15年前から栽培を開始。現在では2000坪以上になる敷地で、無農薬野菜を作っているそうだ。
さらに残飯は堆肥にしてこの農場へ。BDFの精製過程で出るグリセリンは、発酵促進のため一緒にコンポストに入れて堆肥づくりに利用。農場のトラクターにはBDFを使用している。
こうして循環型有機農法を実現させているのだ。同じくこの有機栽培で、オリジナルワイン「陽だまり」も作っている。この自家製有機ワインがフルーティで飲みやすいと評判なのだそう。僕はお酒が飲めないのだけれど、聞くだけでもとても美味しそうだ!
気になったのは、残飯の生ゴミから出るメタンガス。数百人が集まる宿だから、一般家庭の比にならないほどの相当量のガスが採取できるはず。メタンガスで電気を作る事ができるので、うまく利用できれば、もっと循環の輪が大きくなるんじゃないかな、なんて思ってしまった。
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施設をご案内頂いた後は、無農薬有機野菜を使った夜ご飯を頂いた。余分な味付けは削いで、その食材の旨みを生かした味付けは、とても優しくて美味しいものだった。
夜はゆったりと温泉につからせて頂いた。じつはそのお風呂でも環境への配慮がされていた。母なる最上川や海をきれいにしていこうとの思いから、石けん類は環境に配慮したものを置いている。お部屋の使い捨てのアメニティも極力減らし、プラスチック製品のゴミの軽減にも尽力されているそうだ。
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皆を癒す温泉宿。そこは、さまざまな人が集まる交差点でもある。体にも地球にも優しい施設であるなら、もっともっとたくさんの人が集まってきて、輪がどんどん大きくなるように人の気持ちにも影響していくのではないかな。

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ほほえみの宿とBDFの関係

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今日もいい天気。すさまじい暑さが続く。が、時々にわか雨も降る。
旅は山形へ入った。
ここ山形は昨年の10月に講演をさせて頂いたり、バイオディーゼル燃料を熱心に推進されている山形市長と対談をさせて頂いたり、ご縁のある場所でもある。
じつは、山形のバイオディーゼル事情を調べているうちに、温泉宿でBDFを作られている方のブログ「縁の下の力持ち」に辿り着いた。そのブログの主は吉田栄二さん。どうやらBDFを精製し、送迎車などに使用しているという。コンタクトをとったところ、僕らのプロジェクトにも興味をもって頂けて、訪問することになった。
その吉田さんがいらっしゃる宿が、天童温泉の「ほほえみの宿 滝の湯」。
広々とした玄関に辿り着くと、BDFを担当されている吉田さんや皆さんが出迎えてくれた。同じ玄関前にとめてある送迎車を見ると、BioDeiselのステッカーが。この車でBDFを入れてゲストの皆さんを送り迎えされているのだろう。
IMG_0322sxc.JPG IMG_1919sxc.JPG IMG_1946sxc.JPG IMG_1955.JPG DSC_4534sx.JPG DSC_4589sx.JPG DSC_4559.JPG DSC_4553.JPG
この日は玄関で電源をお借りして燃料を作りながら、車を展示。宿の環境委員会の皆さんへもミニ講演をすることに。そうして今晩は「ほほえみの宿 滝の湯」さんに泊めさせて頂くことになった。とてもありがたいお申し出だ。クルマを実際に見て頂くことで何か少しでも皆さんのお力添えになれればなあと思う。
さっそく3時半から末広の間にて、プロジェクターを使ったミニ講演をスタート。まだまだお忙しい時期にも関わらず、ホテルの環境衛生委員会の皆さんが集まり熱心に聞いてくださった。山形でBDFを精製する石山さん、BDFの機械を制作するトータルシステムの志斎さん、今井さんらもかけつけてくれた。
トーク内容は主に「世界一周で見てきた世界のバイオディーゼル&エネルギー事情」について。
「エネルギーリサーチをしてどの場所がいちばん印象に残っているか?」「環境を守ることに対してお金をかけられないような国々も見てどう思ったか?」など熱心なご質問がとびかった。
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この宿では、環境衛生委員会を作り、地球にも人にもローインパクトな配慮を少しでも実現すべく挑戦している。そのひとつがBDFの取り組みだ。
厨房から出る油でBDFを精製し、送迎用のマイクロバス1台&ワゴン1台、荷物などを運ぶ作業用トラック2台、農耕トラクター1台に使用している。
主に年間8000リッターを作る。うち5000リッターはBDFとして車両に使用。残り3000リッターはボイラーなどに使用するそうだ。
「厨房から出る油の量はお食事のメニューによっても違いますから、思わず多く出る日も、逆に少ない日もありますが、ほぼ2日に一度は精製する作業量です」と吉田さん。
その厨房から出た油を、ありがたいことに少しわけて頂いた。この油がきれいで、上品な香りが漂っていた。有機野菜を中心とした体に優しいメニューにこだわりをもたれているからだろう。廃食油も、作る人や調理する人の心が、そのまま表れるものなのだ。
吉田さんをはじめ、スタッフ皆さんにその油を注いでもらう。「実際の作業や続けていくことは地味で地道なものですが、このクルマに出会って勇気をもらいました!!」とうれしいご感想を頂いた。
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施設管理課の主任を務める吉田さんは、この宿のBDF精製を一任されている。BDFの精製現場を案内してもらえるとのことで、見せて頂くことに。
厨房で使われた油はポリタンクで1箇所に集められ、2日に一度、精製機を回してBDFを作る。精製機は1バッチ100リッターの、トータルシステム社製。触媒はメタノールと、水酸化ナトリウムを使用している。水洗浄を行い、静置は約1時間。最後は1ミクロンのフィルターを通して完成だそう。
「朝作れば夕方には完成します。ホテル業務の合間に作業していますから、タイマーが鳴ったら精製機の所に戻って……を繰り返します」と吉田さん。
 BDFを始めたのがちょうど2年ほど前。社長にBDFを作ってみないか、担当してみないか、と言われたのがきっかけ。それ以来、トータルシステムに通って勉強し、試行錯誤して作られているそうだ。「やってみたら楽しくて仕方ないんですよ! その日の油によって反応具合が違って本当におもしろいんです」と吉田さんは笑う。
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この宿では、ゲストの健康はもちろん環境へ配慮する取り組みがさまざまなされているという。例えば料理の食材。自家農園で栽培した無農薬有機野菜を作り、天然調味料を使って調理している。「お客様に新鮮かつ、体と自然に優しいお野菜を食べて頂きたい」という社長さん自らの強い意志で、約15年前から栽培を開始。現在では2000坪以上になる敷地で、無農薬野菜を作っているそうだ。
さらに残飯は堆肥にしてこの農場へ。BDFの精製過程で出るグリセリンは、発酵促進のため一緒にコンポストに入れて堆肥づくりに利用。農場のトラクターにはBDFを使用している。
こうして循環型有機農法を実現させているのだ。同じくこの有機栽培で、オリジナルワイン「陽だまり」も作っている。この自家製有機ワインがフルーティで飲みやすいと評判なのだそう。僕はお酒が飲めないのだけれど、聞くだけでもとても美味しそうだ!
気になったのは、残飯の生ゴミから出るメタンガス。数百人が集まる宿だから、一般家庭の比にならないほどの相当量のガスが採取できるはず。メタンガスで電気を作る事ができるので、うまく利用できれば、もっと循環の輪が大きくなるんじゃないかな、なんて思ってしまった。
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施設をご案内頂いた後は、無農薬有機野菜を使った夜ご飯を頂いた。余分な味付けは削いで、その食材の旨みを生かした味付けは、とても優しくて美味しいものだった。
夜はゆったりと温泉につからせて頂いた。じつはそのお風呂でも環境への配慮がされていた。母なる最上川や海をきれいにしていこうとの思いから、石けん類は環境に配慮したものを置いている。お部屋の使い捨てのアメニティも極力減らし、プラスチック製品のゴミの軽減にも尽力されているそうだ。
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皆を癒す温泉宿。そこは、さまざまな人が集まる交差点でもある。体にも地球にも優しい施設であるなら、もっともっとたくさんの人が集まってきて、輪がどんどん大きくなるように人の気持ちにも影響していくのではないかな。

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新潟市では39台バイオディーゼル車を・・

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晴れ、今日も猛暑。
バスコファイブは長野を離れ、新潟に入った。今日はBDFを精製し公用車へ利用しているという新潟市環境部の方にお話を伺うのだ。熱風が吹くような猛暑の中、待ち合わせの北区役所へと向かった。
僕らを出迎えてくれたのは、新潟市環境政策課の高橋さん。
ここ新潟市では、平成17年からBDFの精製と公用車への利用を始めたそう。元々は学校給食の油を再利用しようという声に始まり、菜の花を育てて油を絞り廃油を再利用する「新潟菜の花プラン」へと広がっていった。
 現在は精製したBDFをパッカー車やマイクロバスなどなんと39台もの公用車にBDFを使用している。実際に見せて頂いた車両は、北区区民生活課で使用している小型貨物車。同課の斉数さんは「とくに軽油に劣らないと感じています。油の匂いは始めは意識したけれど、慣れのようですね」と。運転手の杉野さんは「普通のディーゼルとかわらないですよ」とのこと。
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写真左:新潟市環境部 環境政策課環境企画係の高橋さん、新潟市北区役所区民生活課の斉数さん
写真右:運転手の杉野さん

近くにBDF給油スタンドがあるとのことで、見に行くことに。車一台分の駐車スペースだ。万が一BDFがこぼれてしまったときのために、溝で囲まれている。ここ北区のスタンドでは約2000リッターをストックして給油できる。
このようなBDFスタンドが新潟市には、北区、中央区、西蒲区、東区の計5か所に設置されている。「地域によって使用量がばらばらなんです。この北区は元々いちばん始めに給油所を作ったこともあって、BDFの使用循環もいいんですよ」と高橋さん。ちなみに公用車の半分はこの北区の所属なんだそうだ。
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油の回収……民間へ委託している。回収場所は昨年57か所だったのだが、今年はなんと自治体の参加もあり2倍の120か所に増えたそうだ。だが、課題もある。
「回収場所は増えたんですが、公用車の数は年々減っているんです。コモンレールにはBDFは向きませんから、使える車も限られていますから。BDFの有効利用をもっと考えたいと思っています。それから学校給食では米ぬか油を使っていますが、冬はかたまりやすくて使えないんですよ……」と高橋さん。
コモンレールのこと。じつはコモンレールは噴射ノズルがつまるという声を聞くのだが、じつは問題ないという話も聞いている。コモンレールにBDFを使えるか否か、よいか悪いかはわからないし、まだまだ調査が必要だと思っている。
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写真右:有限会社 日本海興産の渡辺さん
BDFの精製……新潟市のBDFを精製しているのは「有限会社 日本海興産」さん。高橋さん案内の元、聖籠町へと向かった。お話を伺ったのは、事務局長の渡辺さん。僕らのプロジェクトを説明すると、非常に興味をもって頂き、「BDFを使った車の状態は?」「1年間にどれくらいフィルターを代える?」……などと専門的な質問をバンバン熱心に頂けて、非常にうれしかった。
ここ、日本海興産さんは、主にバキュームでのし尿くみとり、マンホールポンプ点検などを行っている。しかし下水道の普及に伴い仕事率も減少気味に。その機会に、より資源を有効に使えて、地球に優しくCO2削減にもなるBDFに注目し始めたという。
「いちばんの心配は車の不具合」と渡辺さん。やはり未だはっきりと解明されていないコモンレールとBDFの関係は、皆さんどこでも心配されているようだった。
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プラントは、セベック製をベースに、新潟にて個人で作られたという精製機を使用。それはタテ回転の流れが起こるように、タンク内面にひだを入れて工夫されたもので、よりスムーズに完全反応に近付けけようとするオリジナルのものだった。以前熊本で見たことのある、200リッターの改造された精製機に少し似ていた。フィルターは1ミクロン、検査を重ねてクオリティを地道に上げてきたそうだ。
現在は「1日に2.5回まわしていますが、それでも間に合わない。夜中までかかることもあるんです!」とのこと。この施設内でも回収車やバキューム車など3台にBDFが使用されていて、丸くてかわいらしいステッカーが張られていた。
廃油の回収からBDFの精製まで、それぞれの企業や団体が思考をこらして壁をひとつひとつのりこえて作っている。それだけ手間もかかるものだ。しかし「やらないことには意味がないですよね!」と熱く語ってくれた渡辺さん。最後はバスコファイブをバックに記念撮影をパシャリ。僕らの活動にも共感して頂いたようで、お会いできたよかった。

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