モニュメントバレーも風吹きすさぶ砂漠

3月17日(月) 雪時々くもり モニュメントバレー→ツェイリ

夜通しフィルターを回したので燃料ができ、ほっと一息いれてから宿を出た。くもりがちなので、どうも朝日を拝むことはできそうもない。とにかくバレーに向かい、中へ走り進んだ。ここもまた世界に名を馳せる有名観光地だ、夏だったら人が多い。でもさすがにこの時期は、モニュメントバレーも風吹きすさぶ砂漠の荒野と化しているようだった。

でも雲からこぼれた陽が差し始めると、岩やメサはやわらかいうすピンクに色づき、今まで僕が見たどのモニュメントバレーより、ひかえめでしとやかな美しさを醸し出していた。

ちょうど遠くの曲がりくねった道に、他よりわずかに光に照らされた場所があるのが見えた。僕とタツヤは思わず「よしっ!」と、バスコの撮影をすることにした。ビデオは三脚で回しっぱなしにし、僕は自分が動きつついろんな角度からモニュメントバレーの懐へはいる車の姿を追った。日本人の観光客に話しかけられ、僕たちも記念写真をお願いして撮ってもらった。

スリーシスターズはうわさどおり、真ん中のシスターを失っていた。一人欠けてちょっと可哀想だなと言うと、サッチンは「でも、三人に分かれるまえは、何か他の形だったんでしょう? 風化しているんだから、当たり前よ。」と言う。確かに僕らは変わり行く自然を、いつまでも変わらずそこにあるものと思いがちだ。時を止めることもできないが、風化や自然の現象を勝手に早送りして壊す権利も、僕たち人間にはないのだ。


そうそう、ここはアリゾナ州なのだけれどナバホ国に入ったので時計を合わせた。(アリゾナは山岳地帯の時間帯になるが、サマータイムを実施していないので、西海岸時間帯と同じ時刻になる。一方ナバホ族の居留地は4つの州にまたがって位置するので、サマータイムに従っており、他のアリゾナより一時間早い時刻になる。この説明でわかるかな??)

キャニオンディシェイの近くで、知り合いの家に泊めていただくことになっていたのだが、急にお客さんが来てスペースがないと言われ、ツェイリにあるディネカレッジのゲストルームに泊まる事になった。燃料が足りないのでカフェテリアへ直行し、油を分けてくれないかと交渉する。前もって電話した時には渋い顔をしていたマネージャーも、実際に会うととても親切で、スナックバーのほうの油なら分けてやれるから夜の7時にもう一度来るように言われた。

ここは4年制の大学で、敷地内にいくつか寮の建物があるのだが、そのひとつを家族の訪問や見学者に開放している。ハウジングの担当のシャロンは、とても親切に駐車場の便宜をはかってくれた。精製作業をしていると、実は子供たちの父親が日系なのだそうで、8分の1日本人の血が混ざっている子供たちに、ぜひ会って何をしているのか話して欲しいと連れて来た。シャンテオとリーバイは、興味津々に話をきいてくれた。急な予定変更だったのに、予想外の歓待を受けてとてもうれしかった。でも、今夜は冷え込みそうだ。


廃油回収 20L
走行距離 239km
お世話になった人たち:シャロン、シャンテオ、リーバイ

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神秘のキャニオン

3月16日(日)晴れのち雪のち曇り ページ→モニュメントバレー

ページは世界のハブ(中心)といわれるだけあって、すばらしい自然の名所が近辺にあふれている。せっかく滞在を一日延ばしたのだから、いくつか好きな場所に寄り道したいと思い、朝出掛けにサッチン、タツヤを誘ってホースシューベンド、アンテロープキャニオンへ行った。

ホースシューベンドについた頃雪が舞い始めたが、青空を反映するまでもなく、馬蹄形の曲がりは以前と変わらず、シンメトリの美しい深い青に輝いていた。思わず息をのむ。

アンテロープキャニオンへ入るには、数マイル砂地をドライブして行く。本来はガイドの車でのみの侵入が許されているのだろうが、シーズンオフということもあって規制がなかったので、僕たちはそのまま前進した。砂地の運転には慣れているが、バスコファイブはかなりの重量オーバーだから、慎重に進んだ。このキャニオンは上から見るのではなく、亀裂のなかに入っていけるのが特徴だ。流線型の襞を縫うように足を踏み入れる。わずかに見え隠れする空と光が、流れる地層とあいまってなんとも神秘的だ。外は曇りで雪交じりなので、光がとても弱いのだが、そのやさしさがまた美しく、光に癒されながらシャッターを切った。


アンテロープキャニオンを後にして、ぼくたちは次の目的地モニュメントバレーに向かった。途中急に黒い雲が立ち込めて吹雪となった。どうしよう。このまま大雪に巻き込まれるのは、たまったものではない。引き返そうか……? タツヤとぼくは少しだけためらったのだが、サッチンにたずねると「局地的だから大丈夫。」との返事。それを信じてしばらく雪の中を走ると、どうして、本当に雪は止んでしまった。

そうは言っても、日没のころ目的地についたのだが、黒い雲に覆われて夕焼けをみることはできなかった。バレーにある唯一のモーテルに宿を取り、明日に期待しつつ床についた。


廃油回収 0L
走行距離 259km

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レイクパウエル

3月15日(土)晴れのち曇り ページ

パウエル湖は、アリゾナ州ページにあるグレンキャニオン国立レクリエーションエリアにある。僕は12年ほど前に訪れ、水の深い蒼さと赤茶色の峡谷の造形美に魅了されたのを記憶している。

今朝は人の紹介で、この地に住み着き、周辺の自然をひたすら撮り続けている写真家、ギャリー・ラッドさんと会う約束になっていた。オハイオ州生まれの彼は、当年とって60歳。1970年代から南西部に移り、グランドキャニオンやグレンキャニオンの魅力に惹かれた。以来、前人未踏のキャニオンを歩きまわり、4×5を担いでシャッターを押し続けているのだそうだ。(ちなみに今でもフィルムを使って写真を撮っている。)

ギャリーに寄ればグレンキャニオンは、グランドキャニオンとほぼ同じサイズ。同じだけ美しいのに、世界の注目をうけなかったためあまり保護されていず、ダムができたり発電所ができたりと、理不尽な扱いを受けてきたのだそうだ。例えば1955年、アメリカがこの地域の開拓案を打ち出したとき、2つのダム建設が予定されていた。このグレンキャニオンとコロラドとユタの州境いあたりに位置するダイナソー国立記念公園だ。その時サンフランシスコを拠点とするシエラクラブという環境保護団体が、ダムの建設に反対した。どこにもはっきりとした証拠はないのだが、どうもこのとき何らかの取引がなされたようで、ダイナソーはダム建設をのがれ、グレンキャニオンにはダムが造られた。その後1960年代半ば、発電所の建設のため、グレンキャニオンにもう2つのダム建設計画が持ち上がった。しかしこの時は、以前にくらべかなり勢力を増していたシエラクラブが全力で闘い、ダムの建設を逃れた。しかし、すでに発電所の建設を予定していた電力会社がそのままひきさがることはなかった。それで、キャニオンの近くに石炭の発電所が建てられた。1966年のことだ。(写真の中でレイクの向こうに黒い煙突から白い煙を吐いているのが火力発電所だ)

こんな歴史に心を痛める反面、彼はその変化を受け入れ喜びにかえているという。「ダムは自然の生態系を壊す。もちろん人間のエゴさ。でもそうやって水をせき止めたせいで、私はそれ以前には水面下にあって、決して見ることのできなかった地層や地形の美しさをみることができた。アーティストとしては、幸運だったのかもしれないな。」パッシブソーラーを利用したサンルームのある自宅で、彼の作品を見せていただいた。「この写真が雑誌に載って、プロのカメラマンになることに決めました。」 と言って出してくれた作品は、この世のものとは思われない、神秘的かつ劇的な雷光を捉えたものだった。

彼に案内をしていただいて、湖まで道なき道を歩いた。さすが普段から歩いているとみえて、ギャリーはまったく年を感じさせない早い足取りだ。湖の水かさは、10数年まえ僕が訪れたときと比べると、かなり減っているのに気づいた。ギャリーの話では、2000年ぐらいから水位の減少が目立ちはじめ、2003年までにはそれまでの平均水位の25%ほどになったのだという。もちろん毎年の降雪量に左右される水位というのは、自然の摂理でアップダウンは予想されることだ。でも、この減少は尋常ではない。慎重派の彼も、「絶対そうだと盲目的に決め付けたくないが、地球の温暖化など他の地域た起こっていることと、関係がないと考えるのは難しいと思うと語った。

ギャリーとは、午前11時に別れる予定でいたのだが、すっかり気が合いいろいろ話をした。分かれた後、ダムの見学などしているうちにモニュメントバレーまでいくのはやめてページに宿泊することにした。ロスから同行取材していた日本テレビのクルーとはここで一旦お別れすることになった。山口さん、横瀬さん、中村さん、ご苦労様でした。

この後、モーテルにもどりさっそく燃料の量の精製に入った。



廃油回収量 0L
走行距離 47km
お世話になった人たち:ギャリー

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グランドキャニオンへ

3月14日(金)晴れ フラグスタッフ→ページ

6時に起きてグランドキャニオンに向かった。朝日を見るために国立公園の中に泊まるという案も出ていたのだが、フラグスタッフに夕方到着したので、無理を押して夜遅く到着するより、燃料精製に労力を使おうという結論に至った。朝、寒さでエンジンがかかりにくいのでヒーターを使って燃料フィルターとホースを暖めた。白い煙を吐きながらエンジンは一発でかかってくれた。日の出は道すがら斜め後ろに眺めながら、走り続けた。朝日に背中を押してもらいながらの走行も、悪くないものだ。

大きな針葉樹の合間を縫って、雪景色を横目に走る。ビデオを撮るためにタツヤが窓を開ける。ひゅ〜っと冷たい空気が入ってきたが、天気がよいので気持ちよい。

グランドキャニオン国立公園に到着すると、まずはヘリコプターの手配をした。20億万年かかって削り取られた地球の裂け目をこの目で見てみたいと思ったからだ。

冬に訪ねるのは初めてだったので、見慣れぬ雪がちらほら残る景色がもの珍しかった。ヘリコプターライドは、以前にも乗った事があるルートだったので同じ景色を違った観点から見ることができた。一部雪をかぶった白いキャニオンに見せられた。しかし、乳濁色に濁った川の水量がどうも以前よりへったように思えてならない。僕らが地上に降りると、留守番していたサッチンはドイツから来ている11人のバイカーたちと意気投合し、ハーレーに魅せられたようだった?!

キャニオンに戻って更にいくつかのポイントをまわり、崖っぷちで朝食をとっている人たちと話をしたり、「やっぱりコロラド川をいかだで下りながら、キャンプ旅行3週間がいいね。」なんて言いながら、むき出しの地球が紡いだ時間を肌で感じた。ここは確かに有名な観光地だ。時間がないのに、ちょっとばかり断崖を見下ろしてもしょうがないのかも知れない。車で下に降りていったり、キャンプをしたりするほうがよいに決まっている。でも僕としては、この旅でここに来るのは重要なことだと思っていた。地球でのよりよい未来を築くには、地球の過去を知ることに何かヒントがあるような気がする。それに何といっても、あんな壮大な地球の姿を目の当たりにして、これを守りたいと強く願わぬ人がいるだろうか? 手すりも何もない崖っぷちに近づいて感じるあの畏敬の念を、胸に焼き付けてグランドキャニオンを後にした。


ここからキャメロンという町に抜け、一路ページを目指して北上した。大きなメサが次々に連なってゆく。後部座席は狭いので、長身の僕とタツヤが座るのはちょっとキツイ。でもかねてからの念願を叶えるごとく、サッチンがハンドルを握ることになった。リズミカルな音楽に合わせて踊りながら楽しそうに運転する彼女を見ていると、燃費のことが気になりつつも、僕らにもその楽しさが伝染してきた。が、途中撮影をして再発進しようとすると・・・。おっと、燃料切れだ。ページまであとわずか数十キロ。あわてて給油して、ページには夕暮れ時にたどり着いた。まだ宵の口だ。宿が決まると、早速精製に入った。


廃油回収 0L  走行距離 423km 

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警察官もバイオディーゼル

3月13日(木)晴れ ピーチスプリングス→フラグスタッフ

朝、ネイティブアメリカンを中心に「母なる地球の清掃 Clean Up Mother Earth 」を使命とし、「命あるものはすべて神聖なり ALL LIFE IS SACRED 」というメッセージを掲げて西海岸のサンフランシスコからワシントンDCに向かってあるくロンゲストウォークに合流した。実は数年前からこのウォークに参加しようと考えていたことがあった僕はぜひアメリカ横断中に彼らに合流したいと思っていた。また、このウォークのリーダー、デニスとも昨年10月日本で会って再会する約束をしていたのだ。友人や日本山妙法寺のジュンさん達にも会え、再会を喜んだ。



フラグスタッフは、グランドキャニオンまで160kmほどの山の町だ。午後はこの町のバイオディーゼルユーザー、エドに会うことになっていた。エドはアップルシードと呼ばれる、お湯のボイラーを利用してバイオディーゼルを精製するシステムを自宅に作り、この寒い地でバイオディーゼルを使って車を走らせている。仕事柄(彼は自然管理委員会で仕事をしている)バイオディーゼルのリサーチも詳しくしており、話を聞くととても興味深かった。

でもそれ以上に興味深かったのは、裏庭にある自分で建てた小さな小屋で自分のシステムの説明をする時、彼は夏休みの工作課題か何かを自慢そうに見せる子供のように無邪気になったことだ。この旅を始めて以来、僕らは多くのバイオディーゼルのホームメーカーたちと会ってきた。印象に残るのは、みんな例に漏れず穏やかで知的かつ行動的なことだ。彼らは環境を考え、自分の手を汚して地道な作業を繰り返し、自分の燃料をつくる道を選択し毎日生きている。僕らもこのプロジェクトを通して同じような経験しているわけだけれど、これもまた自給自足の道だ。頼んであるレストランに定期的に廃油を集めに行き、時間のかかる精製(一回に作る量はまちまちだが、たいてい一回に3日ほどかけるのがふつうだ)を計画的に行い、それに合わせて燃料も計画的に使用する。自分が休んでいる間に誰かが燃料を作ってくれるわけではないから、一滴一滴が貴重なエネルギーだ。

そして、彼らはこの一見面倒で汚い行程を楽しんでいる。僕の持論もこれに呼応する。どこかに遊びの要素というか、楽しいという喜びがあると人間はずっと続けることができる。「苦」が「楽」になる。だから、彼らはこの燃料を自分で作るということを、心から楽しみ、日々実験・改良を繰り返し続けている。持続可能な生活というのは、こんな意味もあるのかな、エドの輝く目を見て思った。

廃油回収 45L(エビスより。ピックアップした)
B100 53L
走行距離 388km
お世話になった人たち:エド、トニー(警察)、ウェイン(油受け入れ)

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サウスウエスト

3月12日(水) 晴れ ブライス_ピーチスプリングス

今日は北上移動日だ。300kmほどなので、朝は多少ゆっくりすることができた。このあたりまで来ると、赤やべージュの美しい岩が道の両脇に現れたり、丘を越えて下り坂に入ると視界が急に開けて壮大なメサと砂漠、そして大きな青空が目に飛び込んでくる。

サッチンは、アメリカ南西部が大好きとニコニコ喜んでいる。確かに、この開放感に何とも言えぬ懐かしさを覚えるのは、なぜだろう?

さっそく、アリゾナの砂漠を走るバスコファイブを撮影しようと崖に登った。今日はインターステイトの走行が少なく、好きなところで止まれるのがありがたい。目指すはワラパイインディアンの地、アリゾナ州ピーチスプリングスだ。やはり旅を続けているネイティブ中心のグループが、2月11日にサンフランシスコを出発して、今このあたりにいるというので合流しようと思っていた。僕らは、そのうちの何人かと顔見知りなので、会うのが楽しみだった。

夜10時ちかく、彼らのいる宿泊所に着いた。携帯電話の通じない地域なので、連絡がつかず今後の予定などわからずにいたのだが、建物の中に入るとサッチンの友人がちょうど出てきて教えてくれた。



廃油回収量 0L
走行距離  344km

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ソルトンシー

早起きしてエコビレッジの部屋を掃除し、別れを告げた。10日もお世話になった。お陰で2つある燃料タンク(合わせて185L)、反応タンク(40L)そして廃油のタンク(100L)はすべて満タンだ。しかも、車の中には20Lx2=40Lの燃料が、ジェリー缶の中に貯めてある。これだけあれば、グランドキャニオンにはいけるのではないか? そう思うと、3人とも何だか懐が暖かい。

今日は、カリフォルニアとアリゾナのボーダーぐらいまでを目指す。400km以上走ることになるだろう。I”10沿いには、とても興味深い発電用の風車群が集まる地帯がある。そこで、すこし寄り道して撮影した。

午後1時近く、ソルトンシーに到着した。遠くから見ると、とても神秘的に水蒸気の立ち上る塩水の湖は、近くに寄ると塩分の増加によるといわれるが、無数の魚の屍骸が細かい貝殻でできた浜に打ち上げられていた。塩水のせいか、かなりキツイ匂いだ。この辺りははるか昔太平洋とつながっていた。土地の隆起により海から離れ、淡水がたまり始めたものの、砂漠化にともなって干上がり、塩だけが残された。その後、大雨が16ヶ月も続いたことがあり、また水がたまったのだが周囲の土壌にある塩分が混ざり塩湖となったのだそうだ。近年さまざまな理由から塩分濃度が増し、比較的塩分に強いとされているタラピアさえ死ぬようになってしまった。

ここに37年住んでいるという、ジャックさんの話をきいた。彼のお母さんのアルバムの中に1976年の写真を見つけた。当時この近辺は、ヨットハーバーと釣りを中心に栄えたリゾート地だったのだそうだ。「毎日湖で泳いで遊んでいたよ。」と、今では残骸と化してしまった当時の桟橋を指差し、写真の撮られた位置を教えてくれた。変わり果てたとは、こういうことを言うのだろうか。

午後3時過ぎ、更に東へ向かう。この先に、実は僕とタツヤにとってはとても思い入れの深い場所が待っている。メキシコとの国境近く、カリフォルニアとアリゾナの州境に、僕らのお気に入りの砂丘地帯がある。10階建てのビルほどもある真っ赤な砂丘は、サハラ砂漠を思わせる。バスコファイブでぜひ訪れたいと念願していた所だ。

日没ほんの少し前に着き車を走らせ、日が沈んでからは徒歩で中に入って砂遊びを楽しんだ。砂地を歩くには、コツがある。砂漠を怖がって力を入れ闘ってしまうと、体がすぐに疲れてへばってしまう。でも、リズム感を持って身を任せると、砂は柔らかくあたたかい。裸足になると、なお気持ちよい。満天の星を肴に、おいしい空気を思いっきり堪能すると、あぁ!帰ってきた・・・そんな気がした・・・。


廃油回収量  0L
走行距離   544km
お世話になったひとたち:ナカムラさん、ジュンコさん

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サンタモニカの海岸

午前中は写真の整理などに費やしながら、LAタイムスからの連絡を待っていた。数日前多少の手ごたえがあったので、ちょっと期待していたのだが、担当の編集長が出張中なのか連絡が途絶えてしまったからだ。先日会ったニックも、「プロジェクトを自己満足で終わらせるのは、間違っている。何かの活動を起こすには、理由があるのだろう? それを人に伝えるのも、僕たちの役目だと思わないか?」と言われ、それには僕は同感だった。今まで、あまり積極的にメディアからの注目を期待してこなかったがもう少し積極的にアピールしてもいいのかもしれないと思うようになった。このプロジェクトがただの個人的な冒険でないことは、明らかだ。

そんな思いでLAタイムスのロビーについたのだけれど、編集者の名前をいくつか出しても記者をつかまえることはできなかった。残念だ。でも、今はまだ早すぎるのかもしれないし、成り行きに任せるのが一番なのかもしれない。

夕方、バリーというイギリス人のカメラマンとサンタモニカの海岸で待ち合わせた。先日の映画上映会で会って意気投合し、きれいな夕日を見ながら少し写真の撮影をするのに付き合ってもらった。彼はここで仕事をしているので、いろいろなスポットを知っていて案内してくれた。お金にはならないけど楽しい、と言いながら自分もバスコファイブのライトアップした夜景をいくつかゲットし、満足げに帰って行った。


走行距離 106km
廃油回収 0L
化学反応 0回

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今日から夏時間

今日から夏時間。時計を一時間進ませた。

少しだけこころに余裕ができた。ブランチをエコビレッジの中庭でとることにした。なんとも贅沢な時間だ。猫やニワトリが近寄ってきた。これまで必死で走ってきた3人だけれど、この一ヶ月を振り返って思うこと、いろんな人と出会って感じたこと、じっくり話す時間を持つことができた。結論はやはり、「自分にできることを、精一杯やればいい。正しいひとつの道なんてない。でも世界の人びとが ”All is ONE”と実感しなくて、何ができるだろう。僕たちはある意味、それを目撃して知らせるメッセンジャーってことだろうか?

遅い昼飯の後、クルー3人でタツヤが仕上げたビデオのささやかな試写会をした。バンクーバーでの始まり部分は、はるか昔のことのようでありながら、こうやって見てみるとまた記憶がよみがえり不思議な気分だった。まだお互いのリズムに慣れていなかった3人。地元のサポーターの方たちの想い。あれからいろいろあったなぁ。

ウェブ、ブログ、その他貯め込んでいた作業が片付いてきた。他の誰とも会わない、3人だけの一日も久しぶりだ。

廃油回収量 0L
走行距離 0km

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ロス滞在延期

今日は遅れていたウェブとブログの更新に、全力投球の一日。タツヤは、ビデオをYou Tubeに載せる準備。油を回収し、燃料を精製しながら旅を記録するのは、今までのペースで旅をするとどうしても時間が足りない。

そこで、ロス滞在を延期することに決めた。燃料さえ十分あれば長距離移動できるから、ニューメキシコ、コロラドへは予定通り着けるはずだ。エコビレッジでの滞在も延びてしまったので、ルイス、ララに相談した。ここは自転車旅行者や入居希望者の滞在を受け入れているけれど、ホテルではない。でも事情を話したところ快く承諾してくれて、住人にはメールで知らせたらどうかと提案までくれた。

裏の駐車場の一部をずっと占領して燃料の精製をしているから、長期となると迷惑を感じる人もいるのではないか。都会のオアシスで静かに暮らしている人たちの迷惑にはなりたくない。だから、メールでお礼とお詫びができたのは助かった。

廃油が随分集まり、車のタンクはすべて満タンになった。アリゾナに行けばすぐに必要になることは目にみえているが、僕たちの車にはあまりスペースがない。でも、ベンドからカリフォルニアでの辛い経験を思い出すと、どうやっても手放したくない!という結論に至った。すると、ナカイくんの友人がユタから遊びに来ていて、僕たちの行くほうへ数日先に出かけるので、いくらか廃油を運んで欲しいという僕らのお願いをこころよく引き受けてくれた。

以前アリゾナに住んでいたサッチンは、友人に電話をかけまくり、廃油を数日あずかってくれる人を見つけた。

アリゾナでのサポーターがあまりにも少ないので、全国のサポーターにマスメールで声をかけたところ、あっという間に何通もメールが来た。みなさん、ありがとう!

廃油回収量 0L
走行距離 0km
お世話になった人たち:ルイス、ララ、ナカイくん、タクヤくん

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