ソウル市内は大渋滞、講演に間に合うか!?

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ソウル市内にやっと入った。が、市内は渋滞!
講演まであと10分。ひぇ〜間に合うといいんだけど(笑)

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韓国のBDF精製施設を見学

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午前11時少し前。リーさんの知り合いである、韓国でBDFを作っている会社のひとつを訪ねた。日本出発前からぜひバイオディーゼルプラントを見せて頂きたいと、強くお願いしていたからだ。
向かったのはゼンラドウ県にある「Eco Solutions」社。入口からは超巨大なタンクが見える。大きな敷地と施設に驚きつつ門をくぐると、社長のキムさんみずから出迎えてくれた。韓国では個人でBDF精製が禁じられており、認可されたBDF精製企業はどの施設もこのように巨大だ。なぜなら、石油と同様の浄化施設が義務化されているためだ。
ここ「Eco Solutions」では年間8万5000キロリッターのBDFを精製している。廃食油は回収業者を介して、もしくは直接、フライドチキンなどのチェーン店や飲食店などから収集している。
「フライドチキンなどを揚げた油は、なかなかBDFには向かないのでは?」と聞いてみると、回収の中間業者が異物や水分などBDFにできない成分をできるだけ取り除いた状態で納品してくるので大丈夫なのだそうだ。
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精製の方式は、一般的な水洗い・脱水式。だが日本と大きく違うのが、最後に蒸留しなければならないことだ。
「政府の取り決めはありませんが、じつは製油会社が求める基準が蒸留したBDFなんです。納品先は製油会社しかありませんから、このスタンダードに合わせます。この蒸留したBDFを製油会社が収集し、B5として(実際は2%混合)軽油に混ぜて売っています。大体の一般の人は、BDFが混ざっていることを知らずに使っていますよ」
韓国の基準はヨーロッパと同じEN14214。すべてが廃油なわけではなく、輸入したジャトロファや大豆などのバージンオイルも使用しているそうだ(この部分は森林保全などの環境の問題と関わってくるので、もう少しリサーチが必要だ)。
施設はものすごい巨大だった。反応タンクは一度に33トンほどの量を反応できる。最終工程の蒸留には、方法の違う2つのシステムを使用する。
気になったのがグリセリンの処理。現在では回収業者に販売している。いっぽう施設内で、純度の高いグリを抽出したり、脂肪酸の多いグリをBDF生産に回すための研究を進めているという。この施設を見たところ、BDF精製工程で巨大ボイラーを使用していたので、その気になればそれにも利用できそうだな。
施設内で走っている車は、公用車ではないので、残念ながらすべて石油で走っているそうだ。
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日本でもこれだけの規模の施設はあまり見たことがない。韓国のBDF事情も少しづつわかってきた。
Eco Solutionsのキム社長、皆さん、貴重なお話をありがとうございました。
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韓国のBDF精製施設を見学

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午前11時少し前。リーさんの知り合いである、韓国でBDFを作っている会社のひとつを訪ねた。日本出発前からぜひバイオディーゼルプラントを見せて頂きたいと、強くお願いしていたからだ。
向かったのはゼンラドウ県にある「Eco Solutions」社。入口からは超巨大なタンクが見える。大きな敷地と施設に驚きつつ門をくぐると、社長のキムさんみずから出迎えてくれた。韓国では個人でBDF精製が禁じられており、認可されたBDF精製企業はどの施設もこのように巨大だ。なぜなら、石油と同様の浄化施設が義務化されているためだ。
ここ「Eco Solutions」では年間8万5000キロリッターのBDFを精製している。廃食油は回収業者を介して、もしくは直接、フライドチキンなどのチェーン店や飲食店などから収集している。
「フライドチキンなどを揚げた油は、なかなかBDFには向かないのでは?」と聞いてみると、回収の中間業者が異物や水分などBDFにできない成分をできるだけ取り除いた状態で納品してくるので大丈夫なのだそうだ。
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精製の方式は、一般的な水洗い・脱水式。だが日本と大きく違うのが、最後に蒸留しなければならないことだ。
「政府の取り決めはありませんが、じつは製油会社が求める基準が蒸留したBDFなんです。納品先は製油会社しかありませんから、このスタンダードに合わせます。この蒸留したBDFを製油会社が収集し、B5として(実際は2%混合)軽油に混ぜて売っています。大体の一般の人は、BDFが混ざっていることを知らずに使っていますよ」
韓国の基準はヨーロッパと同じEN14214。すべてが廃油なわけではなく、輸入したジャトロファや大豆などのバージンオイルも使用しているそうだ(この部分は森林保全などの環境の問題と関わってくるので、もう少しリサーチが必要だ)。
施設はものすごい巨大だった。反応タンクは一度に33トンほどの量を反応できる。最終工程の蒸留には、方法の違う2つのシステムを使用する。
気になったのがグリセリンの処理。現在では回収業者に販売している。いっぽう施設内で、純度の高いグリを抽出したり、脂肪酸の多いグリをBDF生産に回すための研究を進めているという。この施設を見たところ、BDF精製工程で巨大ボイラーを使用していたので、その気になればそれにも利用できそうだな。
施設内で走っている車は、公用車ではないので、残念ながらすべて石油で走っているそうだ。
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日本でもこれだけの規模の施設はあまり見たことがない。韓国のBDF事情も少しづつわかってきた。
Eco Solutionsのキム社長、皆さん、貴重なお話をありがとうございました。
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「ブアン市民発電所」を見学

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今日も快晴。昼と夜の温度差は10度ほどで。夜は肌寒い。
昨日僕らが宿泊させてもらった「ブアン市民発電所」について記しておきたい。
このブアン(扶案)という街の名前は、日本でも聞いたことがある方もいるかもしれない。
2003年、ここブアンは政府の核廃棄物処理場が建設される候補地として確定された。それに反対する市民が立ち上がり、1万人の集会やデモ、127日間続くキャンドル集会、学校では登校拒否運動も行われた。老若男女問わず住民の大半が反対運動に参加し、時に警察と激しい衝突も起きたという。そうして、民力で住民投票も成功させ、ついには処分場の建設を阻止したのだった。
リーさんはその運動の中心となったひとりで、現在は「ブアン市民発電所」の代表を務めている。ここ「ブアン市民発電所」はそうして核廃棄物施設に反対しながら、住民が自発的に再生エナジーに取り組む施設なのだ。
「ブアンは現在に至るまで、2つのエネルギー問題を経験した土地です。ひとつは核廃棄物への反対。もうひとつはエネルギーの自立。核を反対している時、その代案は何かと考えたときに、農村のバイオマスに関心をもちその事業を8年間行ってきました」
2005年に日本の「NPO菜の花プロジェクトネットワーク」の代表である藤井絢子さんと会って以来、イベントで度々お会いしては交流を深めているという。
今日は朝早くから、リーさん自ら「ブアン市民発電所」を施設を案内してくれた。
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僕らが昨日使った電気や温水シャワー。この施設のほぼ半分の電力をまかなっているのが自然エネルギー。宿泊施設の上には30kw×3の太陽光パネルがあり、暖房には地熱を使用している。この施設であれば、余るほどの電力をまかなうことができるはずだ。
聞けば余った電力は韓国電力へ売電しているが、近隣の村の地域に売ることはできないそうだ。
ソーラー発電は別の建物にも設置されているほか、1時間に1kw発電できる小型の風力発電、強力な磁器を使用した自転車発電、ウッドチップ製作、BDF精製研究など、再生エネルギーを身近に体験することができる。
自転車をこいでみると、ペダルはスイスイ軽い。その電気でとなりに設置されている小さなライトが点滅する仕組み。
この施設はそういった自然再生エネルギーの教育現場として役立たせるために、村と強力して運営しているのだそうだ。
「建設には5億ウォン(約5000万円)かかりましたが、政府や自治体の補助金などはなく、市民から少しづつ集まったお金や出資で建設したんです」とリーさん。
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「近年、政府はこういったものに対して前向きとはいえない。でも政府や政治が諦めても、僕らは諦めない。自然再生エネルギーは唯一の代案だと思うから、ずっとやっていきますよ」
施設の入口には、「生命と平和の村へようこそ」と書かれた看板が掲げられていた。
世界にも、日本にも、自給自足を試みている人々がいることを、僕はこの目で見てきた。そして韓国にも。国や政府に頼ることなく、今ここにあるエネルギーを自分たちで工夫して生み出して大事に使うこと。それこそが、自然と人間が共生できる唯一の方法であるに違いない。
「子供たちの未来のために」その想いは、粘り強い行動と共に、地球のあらゆるところですでに動き出し、国境を越えて繋がりはじめている。
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韓国初夜 ブアン市民発電所にて

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今日泊まらせて頂くのはブアンの街から10分ほどにある「ブアン市民発電所」の施設。ここにも韓国SBSテレビのカメラマン(空港で会ったカメラマンとは違う)が僕の到着するのを待っていた。
さっそく施設の説明を頂いたり、僕のプロジェクトについて説明をさせて頂いた。
右から「ブアン市民発電所」代表を務めるリーさん、通訳のヤンさん、GKUのソンさん、農夫のギムさん。
農夫をしているギムさんは、試験的にBDFを精製している。菜の花を栽培し、それを食用油にして小学校などの学校に無償で配布。それを回収し、BDFを作り農機器に使っていたのだとか。「遺伝子組み換えではない菜の花を栽培して、それを子供達に食べさせたいと思って。しぼりカスまで無駄なく使うために、肥料にして牛に食べさせているんです」とギムさん。
ギムさんはBDF精製に、せっせとハンドドリルで撹拌しながら作っているそうだ。
「グリセリンがきれいにぬけないのだけれど、どうすればいい?」
「静置沈殿はどれくらいしますか?」
などなど、熱心な質問がとびかった。
僕のプラントのひとつの特性である”イオン交換樹脂”の訳語がなかなか難しかったのだが、そこはヤンさん、うまく伝えてくれたようだ。
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みんな顔を合わせるのは、なにせ今日初めてだが、お互いに知りたい事が沢山あり、話は熱を帯びていく。それと明日から始まる講演の打ち合わせなどなど、夜中遅くまで続いた。
ここにも熱い男達がいた!国は変わっても地球や未来を思う気持ちは変わらないんだな。

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ブアンに到着 韓国鍋でカンパイ!

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夜の7時半すぎ。ブアンに到着した。ここは人口7万人ほどの街。市場には水槽があちこちに並んでいる。海に面しているので、魚介類が新鮮で美味しいのだそうだ。そのビルの一角の鍋屋さんで今日はご飯をご馳走になることに。
合流したのは「ブアン市民発電所」で副所長を務めるリーさんの妹リー・ヒュンミンさんと、リーさんの娘さん。たまたま日本から訪れていた「原発いらん! 下関の会」の沢村さん、沢村さんを日本のお母さんと慕う通訳の方。
17才になるリーさんのお嬢さんは、とても流暢に日本語を話す。なんと小学校の頃から日本語を勉強しているそう。とても上手で、今すぐ日本に行っても大丈夫そうだ!
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じつは僕は辛いものが苦手。それを知って、なんと辛くない魚鍋を用意してくれたのだった(韓国料理が大好きな方たち、すみません…)。何種類ものキムチやお刺身もあわせてテーブルにずらり。
どれもすごく美味しい!
こうやってワイワイ鍋を囲んでいると、韓国に来た〜!っていう実感が沸いてきた。
大勢で食べるってやっぱりいいな〜。

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韓国で聞きました。BDF事情は?

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これから大都市ソウルを離れ、南の街ブアンへと向かう。高速道路を使って、約3時間のドライブだ。通訳のヤンさん。日本語が早くてペラペラ。僕よりもずっと流暢だ(笑)
車窓から見事な夕陽を眺めながら、GKUのキムさんに韓国の事情を聞くことができた。
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韓国のBDF事情は……
近年、環境団体や市民運動を中心にBDFへの意欲も高まりつつある。しかし
「韓国ではB20を今年から個人で作ったり使ったりすることができなくなったんです」とキムさん。
元々、2002年から政府のB5試事業が始まり、2006年には市民団体や個人でもB5やB20が使えるようになったのだが、BDFを使ったクルマにトラブルがあり、今年になって政府がB20への使用に規制をかけたのだそうだ。B5は引き続きガソリンスタンドで一般販売している。
B5自体も、実際にはBDF混合率は2%なのだそうだが、それを政府は毎年1%づつ増やしていく提言がされている。
BDFを精製に関しては、石油と同じ規模の浄化施設を併設することが義務付けられているため、なかなか一般や中小企業では精製事業はできないのが現状だそう。
「現在精製されているBDFは、廃食油だけでは足りないので、バージンオイルも使用されています。今まではどちらも免税でしたが、来年以降は、バージンオイルに税がかかるようになる。そうすると、ますますBDFが遠のいていくのでは……」とキムさん。
じつはキムさんとヤンさん。今年の4月に滋賀県の菜の花館や京都を訪れ、藤井絢子さんと会い、BDF施設や菜の花の循環システムを見学に行ったのだそうだ。
「とてもすばらしい施設でした!韓国でもB5の混合率をもっと増やしたり、今は一部の自治体や公用車でしか使えないB20を、全国規模にできたらいいなと思うんです」と。
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僕の世界一周プロジェクトでは、東アジア一体は訪れていない。親しくさせて頂いている藤井絢子さんから少し伺っていたものの、韓国のBDF事情を知るのは今回が初めてだ。当たり前なのだが、日本とも色々と違いがあるようだ。短い滞在だけれど、リサーチを続けてみよう。
「栄養ドリンクですよ」と勧められた高麗人参ドリンク。僕はごくごくと飲み干した。けっこう美味しいぞ。

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いざ、韓国へ! アニョハセヨ〜

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今は飛行機の中。ナント韓国へ行きます!
じつは韓国の環境団体「Green Korea United」、略してGKUから講演依頼を頂き、韓国のバイオディーゼル事情も視察してくることになりました。
本来であれば、バスコファイブで周りたかったのだけれど、今回は残念ながらクルマはお休み。写真アルバムやパソコンを背負って、人間だけ韓国へ向かった。飛行機で約2時間30分の旅だ。
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15時頃、ソウル空港に到着。入国手続きを済ませると、通訳のヤンさん、GKUのソンさん、現地の全国民放SBSテレビのキムさんが出迎えてくれた。
「ええと、アニョハセヨ〜(こんにちは)」とカタコトの韓国語でご挨拶……も早々に、テレビ撮影が始まった。インタビューをはじめ荷物をチェックしたり、スナップ撮影しているところまで、こんなに隅々撮影されると、なんだか照れくさいなぁ。
これから大都市ソウルを離れ、南の街ブアンへと向かう。高速道路を使って、約3時間のドライブだ。

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古代葦船が、甦る

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2日前の夜、おむすび村のキャンプ場で、偶然ある男性と出会った。
その人の名は石川仁さん。
僕はその日、夜遅くに到着し、真っ暗闇の駐車場にバスコファイブをとめた。石川さんはその隣の車にいて、少しの間話をすることになったのだ。
彼とは初めて会ったのだけれど、名前はよく知っていた。
もう20年も前、僕がバイクでサハラ砂漠をひたすら走り続けていた時、同じ砂漠を石川さんはラクダで旅をしていた。その後、チチカカ湖や世界の様々な場所で葦船を作り、航行。
そんな冒険で名前をよく耳にしていた石川さんと、ここで偶然出会うとは思ってもみなかった。
「じつは今、名古屋のど真ん中で葦船を造っているんですよ!」という。
写真でしか見たことのない葦船を、都会のど真ん中で造っているとは!どうしてもその姿を見たくて、名古屋の中心部まで足を延ばした。
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FDW14254.JPG FDW14178.JPG
葦船の全長は12m。足組の上に浮かせるようにして形を造る。葦を束ねて、縄でくくっていく。この時はちょうど数人が石川さんの指示で縄を操り上から下から作業中。船の中心部の葦を束ねて中へ入れる作業を行っていた。はっぴを着た仲間たちは、仮想の町内会”えびす町内会“のメンバーたちだ。
背後では、鉄でできた船のオブジェが船首を上げてせせり立つ。
その目の前で、数千年前から存在する原始的な葦船を、人力で作り上げていく。
速さや効率を求めるあまり、地球を壊していく人間の現代と、
かつて自然と調和したものづくりを大切にしてきた暮らし。
その二つの相反する姿が重なって、鳥肌がたった。
僕ら人間は、今まさに問われているはずだ。いったいどちらを選ぶのか?と。
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船首の葦一本一本に、人々の願いが書かれていた。
「出来上がったら、お伊勢参りをするんですよ」と石川さん。
昔、人々は生かさせて頂くありがたさを伊勢神宮に感謝するお参りをしていた。
それを”お伊勢参り”や”おかげ参り”と言い、この葦船で行くそうなのだ。
この葦船の名前は「葦船ひかり」。
凛々しく水に浮かぶ日が待ち遠しい。
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古代葦船が、甦る

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2日前の夜、おむすび村のキャンプ場で、偶然ある男性と出会った。
その人の名は石川仁さん。
僕はその日、夜遅くに到着し、真っ暗闇の駐車場にバスコファイブをとめた。石川さんはその隣の車にいて、少しの間話をすることになったのだ。
彼とは初めて会ったのだけれど、名前はよく知っていた。
もう20年も前、僕がバイクでサハラ砂漠をひたすら走り続けていた時、同じ砂漠を石川さんはラクダで旅をしていた。その後、チチカカ湖や世界の様々な場所で葦船を作り、航行。
そんな冒険で名前をよく耳にしていた石川さんと、ここで偶然出会うとは思ってもみなかった。
「じつは今、名古屋のど真ん中で葦船を造っているんですよ!」という。
写真でしか見たことのない葦船を、都会のど真ん中で造っているとは!どうしてもその姿を見たくて、名古屋の中心部まで足を延ばした。
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FDW14254.JPG FDW14178.JPG
葦船の全長は12m。足組の上に浮かせるようにして形を造る。葦を束ねて、縄でくくっていく。この時はちょうど数人が石川さんの指示で縄を操り上から下から作業中。船の中心部の葦を束ねて中へ入れる作業を行っていた。はっぴを着た仲間たちは、仮想の町内会”えびす町内会“のメンバーたちだ。
背後では、鉄でできた船のオブジェが船首を上げてせせり立つ。
その目の前で、数千年前から存在する原始的な葦船を、人力で作り上げていく。
速さや効率を求めるあまり、地球を壊していく人間の現代と、
かつて自然と調和したものづくりを大切にしてきた暮らし。
その二つの相反する姿が重なって、鳥肌がたった。
僕ら人間は、今まさに問われているはずだ。いったいどちらを選ぶのか?と。
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船首の葦一本一本に、人々の願いが書かれていた。
「出来上がったら、お伊勢参りをするんですよ」と石川さん。
昔、人々は生かさせて頂くありがたさを伊勢神宮に感謝するお参りをしていた。
それを”お伊勢参り”や”おかげ参り”と言い、この葦船で行くそうなのだ。
この葦船の名前は「葦船ひかり」。
凛々しく水に浮かぶ日が待ち遠しい。
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