グランドゼロからワシントンDCへ

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4月19日(金) 晴れ ニューヨーク→ワシントンDC


昨夜、モーテルに宿泊できたのは午前1時過ぎだった。それから燃料を精製をしたので寝たのは遅かったものの、午前中はグランドゼロを見にマンハッタンへもどることにした。どうしてもグランドゼロに行き、亡くなった方達の冥福を祈りたかったのと、その後再建がどうなっているのか、この目でみたかったからだ。

グランドゼロの近くで駐車したところへ戻ってみると、アメリカ人の家族が留守番をしていたサッチンと話込んでいた。父親らしき人物が「いやぁ、僕はねバイオディーゼルには、基本的に反対なのだよ。」「食料の高騰を招いている現状で、原料に問題があるとおもわないかい?」「確かにそうです。ですから、わたしたちは廃油をリサイクルしているんですよ。それに、アメリカ国内でも他の原料を模索して、いろんなところで研究しているひとたちにも会いましたよ。」「へぇ、そうなんだ。私は、まだ納得いかないけれど、ぜひもっと持続可能な道を探求してくれよ。」反対だと言いながらも、楽しそうに議論を交わすのを見て、こういうことは日本人にはとても難しいことだけれど、ぜひ学びたいコミュニケーションの方法のひとつではないかと思った。

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いよいよマンハッタンを離れ、ボルチモア・ワシントンDC方面に向かう。東海岸に来て、有料高速道路やトンネルが目立ってきた。ハイウェイ上で追い抜いてゆく車から、Vサインや親指を立てる応援のしぐさ、プップー!という警笛の激励を受けるのにも慣れてきた。ニュージャージー・ターンパイク&I?95を通っていたときだ。ダッジの白いバンの家族連れがやけに盛り上がりながら追い抜いていった。今まで幾度もシャッターチャンスを逃しているタツヤから、「あのバンじゃあまりスピードが出ないから、追いつけないかなぁ。」とのリクエスト。

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どうやら向こうも、こちらがスピードアップしたことに気づいたらしい。追いつくのは、とても簡単だった。適度に混んでいるから、2車線を並行走行しても文句を言う車はなかった。あちらの窓が開いてみると、どうやら家族みんながカメラの用意をして、近づいてきたようだった。サッチンも窓を開け、手を振っている。こちらのバイオディーゼルの文字を指差して親指を立ているから、BDFのサポーターだということは間違いない。もう一度手を振ると、フツウのスピードにもどり去っていった。(実は5月の中旬になって、このお父さんからメールが来た。ぼくらのサイトを見つけたのだ。4人家族のうち14歳になる息子がエコ燃料に興味をもっていて、ランプを改造してバイオディーゼルで使っており、運転できるようになったらディーゼル車を改造してバイオ燃料で走りたいと言っているのだそうだ。だから、僕らの車を見て、息子をはじめ家族みんなが思わず興奮してしまったとのだそうだ。)こんなやり取りは、長い道路の旅にちょっとしたスパイスを与えてくれて、とても楽しい。

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さて僕たちはその後、ボルチモアの町を抜けブルックビルという町に寄り道することになっていたのだが、ボルチモア周辺で車のパネルに見慣れぬランプが点いたことに気がついた。オイルが少なくなったり、エンジンフィルターの交換が必用な時につくランプとは違うものだ。すぐに車を停めて、マニュアルを紐解くことにした。どうも、燃料フィルターに不純物(水その他)が入り、フィルターが一杯だから、一度たまったものを抜かなくてはいけないようだ。ペットボトルに70mlあまり入った中味を見て、僕らはギョッとした。それは明らかにとても色の濃いグリセリンと水だった。

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できるだけ避けようと言いながらも、僕らは約束の時間に間に合わなくなりそうだったり燃料が足りないとき、精製が完全に終わっていないバイオディーゼルを給油してしのいできた。そのせいで使用した燃料の中に、本来取り除くべき不純物が混ざったままエンジンの方へ送られていたのだ。このフィルターが効いていなければ、エンジンにダメージを与えるところだった。北アメリカ大陸横断は問題なくここまで来たけれど、これまでの判断基準では甘い。そう痛感し、ほんの少し背筋が延びる思いだった。品質管理をもっと厳格にしていかないと。

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夜遅くDCの町にたどり着く。いろいろあって、結局遅くなってしまった。泊めていただくアンジェラのお宅はDCにあるのだが、カリフォルニアのサポーター、サッチンの親友のハルエさんが飛行機で駆けつけてくれて、先にご近所を偵察(?)しパーキングやその他の事情を確認してくれていたので、とても助かった。彼女が買っておいてくれた3種類のクラムチャウダーで乾杯し、再会を祝った。アーズデイまでにDC入りしよう!そう決めてから、ついつい先を急いでの欲張りな旅をしてきて、懐かしい顔を見たことと、久し振りにモーテルではなく人のお宅に来て、何だかとても落ち着いた。明日は朝早いから、今夜はとにかくすぐに寝ようということになり、サッチンとハルエさんにも無理だとわかりつつ「あまり夜更かししておしゃべりに興じないように。」と釘を刺し、床に入った。無事DC入りできた、よかった!

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廃油回収量 0L

BDF 40L(フランキーより)

走行距離 402km

お世話になった人たち:フランキー、アンジェラ、ハルエさん

カテゴリー: north america パーマリンク

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