新潟市では39台バイオディーゼル車を・・

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晴れ、今日も猛暑。
バスコファイブは長野を離れ、新潟に入った。今日はBDFを精製し公用車へ利用しているという新潟市環境部の方にお話を伺うのだ。熱風が吹くような猛暑の中、待ち合わせの北区役所へと向かった。
僕らを出迎えてくれたのは、新潟市環境政策課の高橋さん。
ここ新潟市では、平成17年からBDFの精製と公用車への利用を始めたそう。元々は学校給食の油を再利用しようという声に始まり、菜の花を育てて油を絞り廃油を再利用する「新潟菜の花プラン」へと広がっていった。
 現在は精製したBDFをパッカー車やマイクロバスなどなんと39台もの公用車にBDFを使用している。実際に見せて頂いた車両は、北区区民生活課で使用している小型貨物車。同課の斉数さんは「とくに軽油に劣らないと感じています。油の匂いは始めは意識したけれど、慣れのようですね」と。運転手の杉野さんは「普通のディーゼルとかわらないですよ」とのこと。
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写真左:新潟市環境部 環境政策課環境企画係の高橋さん、新潟市北区役所区民生活課の斉数さん
写真右:運転手の杉野さん

近くにBDF給油スタンドがあるとのことで、見に行くことに。車一台分の駐車スペースだ。万が一BDFがこぼれてしまったときのために、溝で囲まれている。ここ北区のスタンドでは約2000リッターをストックして給油できる。
このようなBDFスタンドが新潟市には、北区、中央区、西蒲区、東区の計5か所に設置されている。「地域によって使用量がばらばらなんです。この北区は元々いちばん始めに給油所を作ったこともあって、BDFの使用循環もいいんですよ」と高橋さん。ちなみに公用車の半分はこの北区の所属なんだそうだ。
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油の回収……民間へ委託している。回収場所は昨年57か所だったのだが、今年はなんと自治体の参加もあり2倍の120か所に増えたそうだ。だが、課題もある。
「回収場所は増えたんですが、公用車の数は年々減っているんです。コモンレールにはBDFは向きませんから、使える車も限られていますから。BDFの有効利用をもっと考えたいと思っています。それから学校給食では米ぬか油を使っていますが、冬はかたまりやすくて使えないんですよ……」と高橋さん。
コモンレールのこと。じつはコモンレールは噴射ノズルがつまるという声を聞くのだが、じつは問題ないという話も聞いている。コモンレールにBDFを使えるか否か、よいか悪いかはわからないし、まだまだ調査が必要だと思っている。
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写真右:有限会社 日本海興産の渡辺さん
BDFの精製……新潟市のBDFを精製しているのは「有限会社 日本海興産」さん。高橋さん案内の元、聖籠町へと向かった。お話を伺ったのは、事務局長の渡辺さん。僕らのプロジェクトを説明すると、非常に興味をもって頂き、「BDFを使った車の状態は?」「1年間にどれくらいフィルターを代える?」……などと専門的な質問をバンバン熱心に頂けて、非常にうれしかった。
ここ、日本海興産さんは、主にバキュームでのし尿くみとり、マンホールポンプ点検などを行っている。しかし下水道の普及に伴い仕事率も減少気味に。その機会に、より資源を有効に使えて、地球に優しくCO2削減にもなるBDFに注目し始めたという。
「いちばんの心配は車の不具合」と渡辺さん。やはり未だはっきりと解明されていないコモンレールとBDFの関係は、皆さんどこでも心配されているようだった。
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プラントは、セベック製をベースに、新潟にて個人で作られたという精製機を使用。それはタテ回転の流れが起こるように、タンク内面にひだを入れて工夫されたもので、よりスムーズに完全反応に近付けけようとするオリジナルのものだった。以前熊本で見たことのある、200リッターの改造された精製機に少し似ていた。フィルターは1ミクロン、検査を重ねてクオリティを地道に上げてきたそうだ。
現在は「1日に2.5回まわしていますが、それでも間に合わない。夜中までかかることもあるんです!」とのこと。この施設内でも回収車やバキューム車など3台にBDFが使用されていて、丸くてかわいらしいステッカーが張られていた。
廃油の回収からBDFの精製まで、それぞれの企業や団体が思考をこらして壁をひとつひとつのりこえて作っている。それだけ手間もかかるものだ。しかし「やらないことには意味がないですよね!」と熱く語ってくれた渡辺さん。最後はバスコファイブをバックに記念撮影をパシャリ。僕らの活動にも共感して頂いたようで、お会いできたよかった。

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