「ブアン市民発電所」を見学

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今日も快晴。昼と夜の温度差は10度ほどで。夜は肌寒い。
昨日僕らが宿泊させてもらった「ブアン市民発電所」について記しておきたい。
このブアン(扶案)という街の名前は、日本でも聞いたことがある方もいるかもしれない。
2003年、ここブアンは政府の核廃棄物処理場が建設される候補地として確定された。それに反対する市民が立ち上がり、1万人の集会やデモ、127日間続くキャンドル集会、学校では登校拒否運動も行われた。老若男女問わず住民の大半が反対運動に参加し、時に警察と激しい衝突も起きたという。そうして、民力で住民投票も成功させ、ついには処分場の建設を阻止したのだった。
リーさんはその運動の中心となったひとりで、現在は「ブアン市民発電所」の代表を務めている。ここ「ブアン市民発電所」はそうして核廃棄物施設に反対しながら、住民が自発的に再生エナジーに取り組む施設なのだ。
「ブアンは現在に至るまで、2つのエネルギー問題を経験した土地です。ひとつは核廃棄物への反対。もうひとつはエネルギーの自立。核を反対している時、その代案は何かと考えたときに、農村のバイオマスに関心をもちその事業を8年間行ってきました」
2005年に日本の「NPO菜の花プロジェクトネットワーク」の代表である藤井絢子さんと会って以来、イベントで度々お会いしては交流を深めているという。
今日は朝早くから、リーさん自ら「ブアン市民発電所」を施設を案内してくれた。
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僕らが昨日使った電気や温水シャワー。この施設のほぼ半分の電力をまかなっているのが自然エネルギー。宿泊施設の上には30kw×3の太陽光パネルがあり、暖房には地熱を使用している。この施設であれば、余るほどの電力をまかなうことができるはずだ。
聞けば余った電力は韓国電力へ売電しているが、近隣の村の地域に売ることはできないそうだ。
ソーラー発電は別の建物にも設置されているほか、1時間に1kw発電できる小型の風力発電、強力な磁器を使用した自転車発電、ウッドチップ製作、BDF精製研究など、再生エネルギーを身近に体験することができる。
自転車をこいでみると、ペダルはスイスイ軽い。その電気でとなりに設置されている小さなライトが点滅する仕組み。
この施設はそういった自然再生エネルギーの教育現場として役立たせるために、村と強力して運営しているのだそうだ。
「建設には5億ウォン(約5000万円)かかりましたが、政府や自治体の補助金などはなく、市民から少しづつ集まったお金や出資で建設したんです」とリーさん。
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「近年、政府はこういったものに対して前向きとはいえない。でも政府や政治が諦めても、僕らは諦めない。自然再生エネルギーは唯一の代案だと思うから、ずっとやっていきますよ」
施設の入口には、「生命と平和の村へようこそ」と書かれた看板が掲げられていた。
世界にも、日本にも、自給自足を試みている人々がいることを、僕はこの目で見てきた。そして韓国にも。国や政府に頼ることなく、今ここにあるエネルギーを自分たちで工夫して生み出して大事に使うこと。それこそが、自然と人間が共生できる唯一の方法であるに違いない。
「子供たちの未来のために」その想いは、粘り強い行動と共に、地球のあらゆるところですでに動き出し、国境を越えて繋がりはじめている。
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