国境越え

午後になって雲が分かれて明るくなってきた。町の北側にあるスタンレー公園をバンクーバーのスタート地に選んだ。トーテムポールの前で何枚かシャッターを切り、三人の記念写真を三脚で撮影。光が出てきてとてもいい感じだ。夕暮れ時もいいだろう・・・。時計を見るともう4時半を回っていた。
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僕たちはジャパノイドの朝田さんに言われた通り、商業用トラックの多いほうのボーダー関門からアメリカ入りすることにしていた。自家用車ばかりを扱うゲートより、係員たちの経験が豊富だからだ。案の定みんなのパスポートを差し出すと、番号などをチェックしてからオレンジの紙切れを渡され、右へ回り込んでキャノピーの下に駐車して指示をまつように言われた。そこの係員たちはリラックスした様子で、バスコファイブに純粋な好奇心を抱いているようだった。建物の中に入ってからも、作ってきたファイルをぱらぱらを見せた旅の主旨を説明すると、審査官はにやっと笑って「へぇー、自分で燃料を作ってねぇ。」「そのジャケット、かっこいいな。」なんて言っている。平静を装いつつも内心緊張していた僕らは、気が抜けてしまった。特に問題も難癖もなく、約30分で入国審査は終わった。
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次は税関だ。僕らはカルネという書類を持って旅している。言ってみれば訪ねた各国での入国と出国証明のために判子をもらい、その商品が売り買いなしにその国を通過したことを示す=関税が免除されるというものだ。先日書いたけれど、バンクーバーでこの書類を処理した係員が間違った場所にスタンプを押してしまい、僕としては心配の種でもあったのだが、ここへ来てその間違いが問題となって浮上し、少々面倒なことになった。国境を越えてからカナダの関税にUターンして仕切りなおし。だが検査官はとても親切で親しみやすく、スタンプの間違いは僕たちの責任ではないと説明する必要もなく理解してくれた。その上「プロジェクト、がんばれよ。」なんて励まされて、三人とも気が抜けてしまうほどだった。
シアトルでは、16日にイベントをすることになっているコープの大家さんの一人、トムと家を提供してくれるエイプリルが待っている。電話で遅れていると連絡を入れると「気をつけて来てくれ。待っているから。」と言ってくれた。コープの近くのマドローナ・エール・ハウスで落ち合う約束をして電話を切ると、急にみんなほっとした。アメリカに入ったぞ!これで旅の心配の種がひとつ減った。
シアトルに入って出口を出た途端、珍しく道に迷ってしまったが、夜9時過ぎやっとトムと会うことができた。いかにも西海岸のアメリカ人のトムは、アイルランド系。イージーゴーイングで情熱を含んだやさしい話し方をする。ビールを一杯飲んでから、長い一日だったので今夜はこのへんにして、これから約一週間お世話になるエイプリルの家へ向かった。ぐっすり眠りたいものだ。
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廃油回収量 18.5L
本日の走行距離 285km

カテゴリー: north america パーマリンク

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