スターオイルコ

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シアトルを抜けると、道も安定して順調な走りだった。なにせ重い機械を積んで、燃費走行をしているので、道路のコンディションと込み具合には敏感にならざるを得ない。晴れ渡った青空の向こうには、雪をたたえた山が美しくそびえている。レニエー山だ。バンクーバーといい、シアトルといい、僕たちはほんとうによい縁に恵まれて気持ちのいい時間を過ごす事ができて本当に感謝の気持ちで一杯だ。
平均走行スピードは55マイルから60マイルくらいで燃費走行に徹したのでので、ポートランド入り口についたのは夕方の5時近くになっていた。スターオイルコというBDF販売会社のマークは、僕が日本であるコンファレンスに参加した後で、サポーターを募っていたときに連絡をくれて、それ以来メールのやり取りで親しくなっていた人だ。
町のはずれにある工業地帯の一角に、金網のフェンスに囲われた給油所があった。給油スタンドが2つ。その脇にオフィスのある白い建物があるだけだ。外に数人がたいのよい男性が立って、僕たちを見つけると手を振ってこっちだと合図した。マークと社長である彼の父マイク、燃料タンカーの運転手マーシャルは、僕たちが車から降りると「さぁ、見せてもらおうか?」と間髪いれず車の後ろへ回る。ドアを開けるとマークは顔を輝かせて “Holy Cow!” と叫ぶ。「いやぁ、予想以上に面白いよ。」「よくできてるじゃないか。」「でかいエクスプレッソ・マシンみたいだなぁ。」
マークの会社は、オレゴンで取れた作物のみで作られたBDFを扱っている。「うちのお客さんは1.外国製品を使いたくない人、2.二酸化炭素が嫌いな人、それに尽きる。」菜の花畑とブルースカイの描かれた美しいタンクローリーを、男3人で「いいだろ?いいだろ?」と自慢げに指差し、バイオディーゼルで動かしているオフィスのヒーターを見せてくれた。寒冷地でのジェル化対策など、興味深い話もきくことができた。帰り際、用意のよいマークは、オレゴンで「絶対に訪ねるべき」バイオディーゼル関係者のリストと地図をプリントしてくれた。シアトルでの予定がどうなるかわからなかったので、ポートランドでのプランはあまり立てずに来たのだが、彼のお陰で重要な人たちに会えそうだ。
バンクーバー以来、ずっと自炊かオリエンタルの食事をしている。マイクの薦めるいかにもアメリカンな朝食の話を聞いたせいだろうか、3人とも「ダイナーに行って、アメリカンなものを食べよう!」と同意し、宿の近くのシャリーズへ。注文を済ませると、最近はめっきり板についてきたのだが、マネージャーさんのところへ行って「廃油はどうしてますか?いただけませんか?」と聞いてみた。すると、ウェイトレスが「あ、この前シアトルのテレビに出ていたでしょう?廃油で旅している、日本人よね?」と話しかけてきた。こうなると頼みやすい。バンクーバーでの苦労が嘘のようだ。残念ながら今日回収されてしまったばかりでもらえなかったけれど、断られることに慣れてきた僕たちには勇気の出る好意的な反応だった。
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廃油回収量 0L
走行距離 312km

カテゴリー: north america パーマリンク

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